おい、きつね。ページNO.2＠チャットちゃっと

>>12
タイトル3☆-友だち
ヤソナの動きが遂にとまると、悪魔はそろりと手を広げていった。花が咲くように、ふんわりと。
手を広げると、塞ぎ込んでいたヤソナが見えた。
その瞬間、悪魔は毛嫌うような視線でヤソナを睨んだ。
「汝、まだいきておったのか。常人ならばもはやしんでいろうに。」
なかなか返事をしないヤソナを見て、悪魔の顔は次第に暗くなっていった。
「返事をするのだ。何故黙る。話せなくはなかろうに。」
声のトーンが張っていく。
その度にヤソナは顔を埋め、悪魔からその顔は見えなくなる。
「おい…聞いておるのか…？」
すると、泣き声がかすかに聞こえてきた。
「汝、泣いておるのか？そんな子供のすること、何故汝がする。」
悪魔は質問を投げかけると、ヤソナは力強く顔を拭い、やっと顔をあげた。
「ずっと独りぼっちの人生だったのかなって、思っちゃって…」
顔は湿っており、目からは涙がいまにもこぼれそうだった。
「汝…いつも、一人だったのか？この村に住民はたくさんいたはずだ。しかし何故、」
「俺、変な子だから、多分、そのせい。」
「変な子、とな？」
悪魔は座り込むように空から落ちると、
大きな手でヤソナを優しく撫でてやった。
「だから、さっきも俺、死ななかったんだ…」
悪魔は怒りに身を任せたことを悔いるように自分の身を握りしめた。
「我の力は、汝とおなじものやもしれぬ。
しかしこれでも我は悪魔、隠伏の悪魔。
お詫びとしてはなんだ。我が汝と友だちになってやる。いや、なって欲しい。だな。」
ヤソナは手足をよろけながらもバタつかせとても嬉しそうに頷いた。
「うん！！宜しく！！！」
「友だちになったからには、助け合いだからな。」