LOST-WAGE ―あの日の空へ―

LOST-WAGE ―あの日の空へ―

pelidot 2013-05-19 19:25:06
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ここは小説家志望のpelidotが連載する小説コーナーです。
感想・意見・キャラの提案など、お願いします。

  • No.1 by pelidot  2013-05-25 15:49:49

これから連載するのは、サスペンスミステリです♪

[登場人物]
月見里瑠奈(やまなし・るな)明るいのが取り柄の高校3年生。
清水美愛(しみず・みあ)瑠奈の後輩。高校2年生。
一条麗(いちじょう・れい)瑠奈と美愛の知り合い(友人)。東証第一部の大会社・シーエイホールディンクスの社長。22歳。
津梨夏紀(つり・なつき)麗の従姉。24歳。
一条優(いちじょう・ゆう)麗の兄。11歳の時、火事で行方不明になった。
天平塚雄一(あまひらつか・ゆういち)麗の高校時代の先輩。

  • No.2 by pelidot  2013-05-25 20:05:53

ゴメンなさい!!
11歳じゃなくて、13年前の間違いでした。(一条優の紹介のところ)

  • No.3 by pelidot  2013-05-25 20:56:30

LOST-WAGE ―あの日の空へ―

OPENING
「一条!!ヘタってんじゃねぇこの馬鹿野郎!!」
30分間走を終えて、3年生の先輩たちと同じタイミングでゴールをぶっちぎって倒れ込んだ麗の耳に、エアライフル部の顧問である倉田の怒鳴り声が届いた。
「罰として、トラック10周5分以内に走れ!5分以上かかったら、連帯責任で昼飯前に部員全員校庭20周!!」
頼む一条、これ以上走ったら俺たち死ぬ――と、麗の同級生たちは目線だけで懇願した。
肩を竦めて、はぁい、と返事をする麗。
そして、副部長の天平塚雄一に向かって訊いた。
「天平塚先輩、ぶっちぎり4分台出しちゃってオーケーですか?」
「――おう出せ、倉田の奴のこと真っ青にしてやれ!」
雄一から、激励ともつかぬ激励が飛んだ。
「んじゃ、一条麗、2000m行きまーす」
倉田の「用意、スタート」の号令で、麗は思い切り地面を蹴った。
後ろから、倉田が追走してくる。
「先生も走るんですか?」
怪訝な顔で訊いた麗に、倉田は、にやりと笑って言った。
「お前がズルしないようにな」
「あ、そう。なら、午後も30分間走一緒に走るんでしょ?程々にしといた方がいいと思いますよー?」
結構失礼な事をさらっと言い、麗はスピードを上げた。

予想通り、倉田は、麗のぶっちぎり本気にはついてはいけなかった。
一周を約24.8秒で切った麗は、倉田と2周以上の差をつけてゴールした。
さすがに中学時代に陸上部で鍛えてきたとは言え、陸上部とエアライフル部の掛け持ちはかなりキツい。麗の額には、うっすらと汗が滲んでいる。
「――つーかお前よ」
部長が、げんなりとした顔で言った。
「03,58.08は、さすがにやり過ぎだって」
その麗の、2000m03,58.08は、渋谷幕張高校の新記録として記録された。

  • No.4 by まぐろ  2013-05-25 21:02:57


ーそして動き始めた1つの陰謀

???「、、、一条、、、か、、。





さーせん調子乗って書きましたごめんなさい

  • No.5 by まぐろ  2013-05-25 21:06:36

ごめんなさい

  • No.6 by まぐろ  2013-05-26 09:31:00

許して

  • No.7 by pelidot  2013-05-26 10:36:48

LOST-WAGE ―あの日の空へ―

SCENE-1_01
「――ったく倉田の奴、僕のこと目の敵にしてない!?」
弁当休みの時間、麗は、大急ぎで弁当をかきこみながら愚痴った。
同じ1年生の笹岡が、ニヤニヤと笑って言う。
「しょうがないと思うぜ?俺らが入る前は、何をやっても倉田が1位だったのに、入部してすぐお前にしてやられたって感じだからな。まぁ、道理は通ってるんじゃねぇ?」
「だぁからってさー、何故よりによって僕を張り合い相手にする?」
その言葉に、部長が肩を竦めた。
「――お前の身体能力だと、奴に目ェつけられるのはもう宿命的なもんだぞ?それにお前、ルックスいいしな」
生徒と張り合うなぞ大人気ない、と溜め息をつき、麗は、食べ終わった弁当をリュックに放り込んだ。
ついでに、訊いてみる。
「部長、あの―」
「――お前の言いたいことは解る。多分、誰か1人をのぞいて全員がリタイアするまで無限に走り続ける走、やるな」
その言葉に、1年生の全員が麗を拝んだ。


ついでに言うと、麗は、1時間半走り続ける羽目になった。

  • No.8 by pelidot  2013-05-26 21:08:02

LOST-WAGE ―あの日の空へ―

SCENE-1_02
何故か、三越が入った会議室は、空気がこれ以上ない程重かった。
椅子を引いて座り、隣りの服部に訊いてみる。
「――何だこの状況は。しかもここ捜査一課だろ?」
さぁ、と首を捻る服部。
「殺人事件らしいですよ。―美浜区で起こった」
最後の1人が入って来ると、早速説明が始まった。
話によると、被害者は3人暮らしの男性らしい。妻と娘と同じ家で暮らしている、と言う話だった。
「――問題は」
現場検証をした刑事が、浮かない表情で付け足す。
「被害者の机にはパソコンがあったらしいですが、そのパソコンは壊れており、サーバーを復旧させて見たところ、死亡推定時刻と重なる時間に、再生時間2秒程の画像が添付されたメールが送られて来ていると言うことです」
会議室がざわめいた。
再生時間がたった2秒と言うのは、どう考えても不自然だ。そのメールに、何か問題があるのではないだろうか。
「そこで、警視庁は、IT専門の人間に協力を要請しようと―」
代表がそう言ったのを、三越はほぼ無意識に遮っていた。
全員が、何事かとこちらを見る。
「IT専門の人間で絶対に協力してくれるヤツを、1人知ってます。そいつに来てもらっても、大丈夫ですか?」
「許可する」
警視が、頷いた。
携帯を持って、廊下に出る三越。
――1分後、廊下から、凄いがなり声が聞こえた。
三越と比較的親しい服部に、無言で説明を求める視線が集まる。
服部は、肩を竦めて言った。
「相手の機嫌が、悪いんじゃないですか?ちなみに、その協力者のことは、皆さん絶対に知っていると思います」
耳を澄ますと、三越が怒鳴る声がはっきり届いた。
――民間人は警察の捜査に協力する義務があるんだからとっとと来い!服がないんなら、中学のジャージでも着てろ!お前の会社の事情なんぞ、俺が知るか!
その口振りからして、今度の協力者は相当扱い難いようだった。


――夢だ。
麗は、薄目を開けて呟くと、ベッドの中で寝返りを打った。
もう、自分の中では割り切ったつもりの、6年前の夢。―それは、あの頃に戻りたいと思うが故の甘えだろうか。
唇の端に自嘲の笑みを刻み、布団を剥ぐ。―もう、これ以上には寝れそうにない。
起き上がると、軽い頭痛がした。昨日旧友と会ったことで調子に乗って飲み過ぎたせいだろうか。
のろのろと身を完全に起こし、クロゼットの扉を開けた時、サイドテーブルに置いた携帯が着信音を奏でた。
表示を見ると、あまり用がない事を願う番号である。不承不承端末を取り上げ、通話ボタンを押した。
「――はい」
「麗か?」
三越である。
「意味不明で理解不能な事件が起きた。シーエイホールディンクス社長に依頼したい。―手を貸してくれるか」
「…いつもなら寝てる時間に、何でかけてくるんですか」
三越は、とっとと来いと言う文脈の事を怒鳴り声で言うと、一方的に通話を切った。

  • No.9 by まぐろ  2013-05-26 23:59:11

おおお、そこで三越か、、どうなるんだ?

  • No.10 by pelidot  2013-05-27 21:14:10

LOST-WAGE ―あの日の空へ―

SCENE-2_01
三越の携帯が、3回のコール音を響かせた後に再び沈黙した。
立ち上がる三越。
「――ヤツが来ました。案内して来ます」
そう言って、会議室を出る。
――10分程経って戻ってきた彼の後ろには、長身の人影があった。
「入れ」
三越が、顎でこちらをしゃくる。
人影は、ぺこりと一礼すると、音一つ立てずに中に入ってきた。
顔が上がったので、姿がはっきりと見える。
微笑みをたたえた口許。見てくれからして20歳かそこらだろうが、その年齢に不相応な、憂いを帯びた瞳。光の当たる角度によっては、黒にも銀にも見える、背中まで伸びた髪。
―そして、その顔は、男でも見とれる程綺麗に整っていた。服部も初めて会ったときは、何で整形なんぞやってるのかとまで思ったものだ。
1年後輩の部下が、あっと声を上げた。そして、彼に向かって訊く。
「あの…東証第一部のシーエイホールディンクスの一条社長ですか?」
その言葉に、他の奴らまで何だ何だと集まってきた。
三越が、肘で彼をつついた。早く何か言え、と言うことらしい。
彼が、分度器で測ったようにきっちりと45°の礼をした。
「――どうも、東証第一部シーエイホールディンクス社長の一条麗です。僕は民間人が警察の捜査に介入するのは良くないと思ったのですが三越さんが職権乱用して無理矢理引っ張り出されたので」
そこで彼―一条麗の言葉は途切れた。三越が、麗の耳を引っ張ったからだ。
「誰が職権乱用したっておい!」
その手を払いのけ、麗は苦笑した。
「誰がって、あなたが10分以内に警視庁まで来いって意味不なこと言うから、朝7時からアクアライン経由で時速150㎞でマイバッハ62ぶっ飛ばす羽目になったんでしょうが!」
「今、さりげなく自慢したよなお前!?」
「してません車が壊れたらどうしてくれるのかって超遠回しに言っただけですけどそれが何か?」
2人のやり取りを聞いていた服部は、思わず笑みをこぼした。
本来の麗は、こんなに明るいキャラではない。努めて明るくいようと言う健気さが、微笑ましかった。

  • No.11 by まぐろ  2013-05-27 21:19:46

やばいwww三越が結構キーマンだな、

  • No.12 by pelidot  2013-06-03 21:24:51

LOST-WAGE ―あの日の空へ―
「――で?」
警視庁唯一の女性刑事である榛奈緒美(はる・なおみ)がいれた紅茶を啜り、麗は、顔を下げたまま三越に問うた。
その一文字の後に省略されている問いを読み取り、なるだけ簡潔に質問する三越。
「麗…成人男性が、メールで送られた動画を見て死ぬって有り得るか」
「――、」
若いIT工学者の顔に、極々僅かにだが―不満そうな表情が浮かんだのを、三越は見逃さなかった。
だが、敢えて何も突っ込まず、返事を待つ。
彼は、たっぷり5分程も沈黙した後、ぼそっと言った。
「………有り得る、んじゃないですか」
その答えに、同席していた警官の全員が色めき立った。
「ただ、条件がかなり多いです。――まず、被害者が心臓に持病を持っていること。そして、その動画が、被害者の嫌いな分野、又はトラウマとぴったり一致していることも必要です。」
ほう、と、同席者の一人の笹原警視が声を漏らした。
麗が、唇の端に笑みを浮かべて言った。
「――それにしても、成人男性が死んだ現場に、当時ちょうどに動画添付メールが送られて来てたなんて、あなたたちも随分めんどくさい事件追っかけてるんですね」
それを聞いた三越が、つかみかかる。
「――おいお前、誰から聞いた?」
「……別に。僕の推測です」
三越が、ばたっとテーブルに倒れ込んだ。

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