五十嵐 徹 2022-07-21 00:29:52 |
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僕が10歳のころに見た夢の話。(実話)
僕はなぜか懐かしい小学校にいた。4年2組の廊下。
突然だけど、お母さんとお父さんはとても仲が悪く、話す機会も少なかった。
それは普通のことになりつつあり、僕もなれていた。
そんな日、なぜか小学校にいたのだ。
お母さんと楽しく話していたら突然空襲警報が鳴った。
こんな現代ではそんなことあるはずがない。
でも確かになったのだ。
「伏せろ!」
「え・・・?」
僕が大好きだったいとこのお兄ちゃんの声がして。
突然目の前が明るく照らされた。
「みく!伏せて!」
そう。これは記憶に深く残っている。
これは前世の話・・・か正夢なのだと思う
そのお母さんの言葉を理解できずにぽかーんとしていると体が熱く焼けるのが分かった
「おかあさっ」
「ごめっ、ねさいごまで、まもれてっ…よかったよ」
その言葉を最後に。
お母さんは空へと旅立った。
「なんでっ・・・」
「あ・・・」
母の手首には僕が反抗期のころ、あーだこーだ言いながらも母にプレゼントしたブレスレットが
あった。
無愛想・・・その言葉が似あうというほど家族には愛情がなかった母。
いつも長袖を着ていて気付かなかったんだ。
母からの愛に
母のブレスレッドを持った。
母からの愛があふれてくるようで涙が出そうになった。
「おかあさっ…ごめんなさい・・・!!」
大声をあげて泣いてしまった。いとこが血だらけになりながらも僕に話しかけた。
「静かにしろ。ロシア軍はすぐそこにいる。さっきの攻撃もロシアだ。」
・・・え?
ロシア・・・
今思うと戦争の中心にいるのがロシアだったので、今になっても怖いです
「泣きたいのはわかる。でもばれたら俺たちも死ぬ。いいな?」
コクン
小さくうなずくといとこは身を隠し、防空壕へ向かって僕を連れて行ってくれた。
「ついたぞ。」
安心感のあまりまた泣いてしまった僕。
慰めてくれるのはこの人しかいない
「…」
その問いに対していとこは何も答えてくれなかった
「答えられない理由なの…?」
コクン
小さくうなずいた、いとこ。
「外、みてもいi・・・」
「駄目だ!見るな!!」
いつも冷静で声を張り上げない、いとこが大声を出した。
「ご、ごめんなさい。」
暫くの間沈黙が僕を襲う
「お前が次見るのはあのもともときれいだった日本の景色でいいから。」
「っ・・・!?」
その言葉に惚れてしまったじゃないか。
って、それは関係ない。まずこの状況をどうするかだ。
そんなことを考えていた時。
「静かにしろ。また来やがった」
「・・・・」
この時はまだ何も言えなかった
「行ったな。」
僕はほっと胸をなでおろした。
今頃だがいとこの名前は琉衣といった。
今なら聞ける・・・
「ねえ。琉衣。」
「なに」
「生きてるよね?」
僕目線
そうだった。
逃げるのに必死で何も考えられなかった。
琉衣はもうすでに死んでいた。
半年前に。猫をかばって車に轢かれたんだ。
なのに・・・なのに、
なんで目の前にいるの?
じゃあ僕を大切にしてくれる人はどこなの…?教えてよ…教えてよ!
「嫌だ・・。いやだ!」
「落ち着け!」
「もう・・・支えてくれる人はいないの…?」
「っ・・・」
「気づいてるんでしょ…?自分が死んじゃってることなんて…」
「や・・・ろ」
「?」
「その話やめろよ!」
ビクッ
怖い。なぜかその感情が芽生えた
失感情症・・・僕はもともとその病気を患っていたんだ。
夢の中だからとはいえ、恐怖のあまりその場から逃げ出してしまった。
「おいっ!出たら危ないだろ!」
うるさい、大好きないとこに思ってしまった
僕はそのまま外へ飛び出した
外の景色も知らずに。
外にはロシア軍と中国軍が酒を片手に持ち、祝杯を挙げていた。
言語は理解できなかったが、日本が負けたから、多分そのような理由なのだろう
あれ・・・?今日って何の日だっけか
そうだ、今日はクリスマスだった。
ドラゴンナイト・・・そう呼ばれている日だった。
ドラゴンナイトとはどの国でも共通な、クリスマスの日だけは休戦する、そう決めた日だった。
なのに、なのに・・・
日本軍がいない。
「おい!〇〇!」
名前が何て呼ばれたかなんて覚えてない。日本の兵士の死体がずらりと並んでいたから。
言葉を失った。
「っ・・・」
パシッ
「見てる場合なんかじゃねえぞ!見つかる前に逃げろ!」
「やだ・・・」
「こいって言ってんだろ?」
その言葉に逆らえずに防空壕へと戻った
ここで夢が覚めた
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