暇人なう 2025-07-19 10:59:59 |
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指が三本足りない夢を見た。
喉の奥が、泡立っていた。
「あなたの声、まるで石鹸みたい」って、笑ってたのは誰だっけ。
学校の廊下はずっと曲がり角で、
わたしはずっと曲がれなかった。
あの子の背中が、何度も、同じ角で消えていった。
教室の窓から飛び降りた日、
わたしはちゃんと死ねなかった。
代わりに、靴だけが綺麗に落ちた。音もなく。
ごめんね、って言いたかったのに、
「おめでとう」って言っちゃった。
だって、あの子はちゃんと終われたんだもの。
わたしはまだ、続いてしまっている。
この身体の底で、何かが腐っている匂いがする。
きっとそれが、“愛”だったんだと思う。
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