小説書く 感想欲しい

匿名さん  2026-02-28 22:53:32  通報
東京喰種にちょっと似てるかも
    • 1 匿名さん   [2026-02-28 22:53:44]  通報

     時々、「死後の世界」について考えることがあった。
    「死後の世界」と言うと少しだけ”痛い”風に聞こえてしまうかもしれないが、その意味は「死んだ後にはどのような世界があるのだろうか」みたいな、至って簡単な問いなのだ。
     なぜそのようなことを考えていたのか。理由としてはただ単に、「死にたい」と思ってしまうことが多かったからだ。
     この世界の人間や動物に生まれ変わる?それとも異世界転生?はたまた、どこにも転生だったり生まれ変わりなどせず、この世界で言う「睡眠」の状態に近いものになるのだろうか?

     このように考えるにつれて、後になぜ「死にたい」と思うようになってしまったのか、と考えるものすらを無意識に変えていた。
     理由はわからないが、まぁどうでもいい。
     この世界で感じている”苦痛”をもう味わいたくないから、そしてもう一つ。

    「死後の世界なんて誰一人わかりやしないから」

     死んでしまったらそこで終わり。この世界に戻ってくることなんて二度と許されない。いや、許されるも何も、もう不可能なことなのだ。
     だから誰も「死後の世界」なんて知らない。空想上で作り上げることしかできない。
     その空想上の「死後の世界」に縋り、何も知りもせずに勝手に「この世界より良い世界なのだ」と判断し、「死にたい」と考えてしまうのだ。
     自分自身で考えて、自分自身で否定して、傍から見れば「なにをしているんだ」と聞きたくなるのもわかる。

     この世にある物語の大半は、すべてフィクションで作られている。
     生まれ変わりなんて存在しない。なにせ、誰も経験したことが無いのだから。
     異世界転生なんて存在しない。なにせ、誰も経験したことが無いのだから。

     そして、「死後の世界」なんて存在しない。皆、経験したことが無いのだから。

     ただ誰かが考えた”設定”に縋り、憧れ、それになろうと必死に努力する。なれるわけないと自分でわかっていながらも。
     でもそれに縋るだけで気持ちが楽になる。落ち着く。自分が特別な存在だと錯覚できる。

     それらに憧れる人間は、ただ、一人だと寂しいだけなのだ。

     自分の中で、そう結論付けたのだった。


     ◇ ◇ ◇


    「……コンビニでも行くかぁ」

     親がいなくなって俺一人しかいないこの家は、寂しさと同時に寒さを感じるほど虚しいものだった。
     俺はそんな雰囲気にまだ慣れないからなのか、家から出たいと少しだけ思ってしまう。
     そこまで必要ではないが、家から出る理由が欲しかった。だから、適当に「腹が減った」と自分に言い聞かせて外に出た。
     家に親なんていないのに。理由なんて「居心地が悪いから」だけでいいのに。

    「ギィ」と少しだけ重たい扉を開くとそこには、いつもと同じ星が一段と輝いているように見えた。
     多分錯覚だろう。この虚しさを埋めるためには、なにか寄り添ってもらうことが大切だから。

     そうでないと、すぐ壊れてしまう。

     俺はそのままサビついている鉄の外廊下を歩き、階段を下り、道路に出た。
     いつもと同じ星に見惚れているからか認識はしていないが、今日の夜は「超」が付くほどに寒い。
     一応夏という季節でありながらも、体感は十度前後。半袖で行くという選択は間違っていたかのように思える。

     星から目線を下に向けると、やはり寒さが俺の体を襲ってくる。
     両手で腕を抱えて、「ズビッ」と鼻水を啜り、そのまま歩いていく。


    「……ミカは、大丈夫だったのかな」


     ふと、そう口にした。理由は、多分反射的な物だろう。

     ミカ…………立花ミカはいつもいじめられていた。
     俯瞰するくらいしかできなかったが、見ているこっち側が胸がギュッと締め付けられるような、そんな辛さを撒き散らしていたのだった。
     勿論、当の本人が一番辛いのだろう。無視され、暴力を振るわれ、悪口を言われ、教科書やノートを盗まれ、机に落書きを書かれ、眼鏡を壊され、汚いトイレの水を掛けられて……。

     助けたいとも思った。
     でも、できなかった。

     普段、ミカがいじめられていることを目にしている先生に言ったとしてもなにも処置せずそのまま放置するだろう。自分から体を割り込んで行ったとしても返り打ちにされる未来しか見えない。

     そして一番の恐怖だったのが、「もし助けられたとして、次のいじめの対象は誰だ?」ということ。
     もう何もかも悟った。「見ることしかできない」と。

     そう悟ってからは、ミカのことを「人間観察」と称して俯瞰していた。
     だから、一日一日、どんないじめられ方をしていたのかとかは大体知っている。
     流石にジッと見るのも危険なので、目を逸らすなどして、カモフラージュは徹底的にやった。

     なぜそこまでミカに魅入るのか、理由を考えても出てこなかった。
     ただ、なんとなく「自分と同じ」ように思ってしまったのだろう。
     こんな、いじめに関しては別世界のように思えてしまう俺と、同じにしてほしくないだろうけど……なんとなく、そう思えた。

     今考えると、助けなかった理由はそれも関係しているのだろう。
    「自分と同じ」という物を、壊したくなかったのだろう。

     自己中に見えるのかもしれないが許してくれ。ミカは俺に「助けて」と言ったわけではないし、逆に俺以外にも助けられる人はいるはずだ。
     まぁそんな中でも助けようと動いたやつは一人もいなかったが。

     そんなこんなで今日も学校でミカのことを俯瞰していたのだが、机に落書き、教科書やノートをビリビリに破かれ、そして靴を盗まれて替えの靴を鞄から出していたところを俯瞰し、一部始終を見終えたと思いながら、ゆっくりと家に帰った時のことである。

    「ぴちゃぴちゃ」と、重い制服を着ているミカを目撃した。
     俺が帰るときに書店に寄っていたことから、ミカは先に家に帰ろうとしていたのだろう。
     アスファルトを見る限り、ミカがいる周辺しか濡れていなかったから少しだけ疑問に思ったが、多分あいつらの仕業だろう。
     幸いなことにミカがいる道は通らないので、バレずにやり過ごすことができる。

     だが、その時間はあと少しのところで日が落ちてしまうような遅い時間だったのだ。
    「風邪引くぞ」とタオルを渡したいところだったが、あいにくタオルなんて持っていないし、「見ることしかできない」と悟った俺には流石にできなかった。

     そんな光景を見てしまったら、次第に心配するのも頷けるだろう?
     まぁ心配したとしても助けたりはしないのだが。


     頭の中でそう思いながらも、俺はコンビニの前までたどり着く。


     ぴちゃ ぴちゃ


     下を向きながら歩いていた俺は、その異様な音に反応して前を見る。
     そうすると――


    「ミカ…………?」


     俺は急いで電柱の後ろに隠れた。
     なんでだ?なんでここにいる?……いやまぁ疑問に思っても仕方ないか。普通に俺みたいに夜の街を徘徊するくらいは誰でもするだろう。
     そんなことよりも…………

     ぴちゃ ぴちゃ

     目の前にいるミカは、家に帰るときと同じ格好をしていた。
     水が滴り、冷たくなったアスファルトに着地する。

     コンビニの光に照らされたミカは、前髪で目を隠すようにして、上を見つめている。
     その姿は、まるで……


     一匹狼が、遠吠えしているようだった。


     その姿に見惚れていると、ミカは手を空に掲げるようにゆっくりと上げた。
     指先一つ一つがピンと張り、体を反ってそこまで魅力的に感じなかった胸のラインが露わになる。
     それによって顔はより夜空を見つめている感じがして、何かを掴もうとしている風に見える。

     俺はそのような姿に、完全に惚れた。

     美しい。ただ、それだけだった。

     俺がいつもミカのことを俯瞰していた理由が、やっとわかった気がした。


     ……ぽちゃん


     その瞬間、ミカのかざしている手の前に水が出現した。
     たった数秒だが、着実に大きくなっていく。

     俺はその出来事に意味不明になりながらも、必死にミカのことを見てみる。


     濡れていない。


     頭の中が?でいっぱいになりながらもミカの手の先を見てみると――


     ばちゃっ


     さっきまで夜空に掲げていた手が急に振り下ろされ、そのまま水もアスファルトに叩きつけられた。


    「あっ!?」


     そう咄嗟に声が出たのだが、すぐにミカの周りに光が現れ、姿を消した。

    • 2 匿名さん   [2026-02-28 22:54:15]  通報

     あの夜、ミカが姿を消した夜、俺は驚きを隠せないまま家に帰った。
     コンビニにも入らず、なぜ寒い夜の中外に出たのかがわからないまま。

     でも、俺は家に帰ることだけが精一杯だった。

     ミカがやったことはなんだ? 水を操っている…? そんなファンタジーなことが現実に起こっていいのか?
     そんなことを疑問に思いながら寝ようとすると、やはりどうも気になって眠れなかった。


     そんな中でも必然として朝はやってくるわけであり、俺は眠たい目をこすりながら学校へ向かった。

    「………なに?どういうこと??」
    「だからそれは『ノイズ』であって、駆除しなきゃダメなの」

     教室のドアまで行くと、二人程度が言い争っている声が聞こえた。
     こういうとき入るかどうか少しだけ戸惑う。まぁ陰の一部みたいな俺には何も関係ないが…。

     …………

     後ろのドアから入ろう。
     と、思った瞬間――


    「絶対”殺される”までに家行くからね」

     ガラガラガラガラ


     ミカが教室のドアを開けた。

    「んっ!?…………す、すまん」
    「…………」

     咄嗟に謝ったがミカからは何もなく、そのまま無言で立ち去って行った。
     というかさっき言い争っていたのはミカだったのか…

     少々びっくりしながらも俺は教室に入り、自分の席まで移動して授業の準備を始めた。

    「…英二、大丈夫だった?」
    「うん ありがと、汐里」

     幸い、ミカが教室を出た瞬間に俺が入ってきたことはあまり気にしてないようだ。
     仲間のように思われても困るし…………ってか俺が考えるべき点はそこではなく、ミカが言っていたことだ。
    『ノイズ』? ”殺される”?…全く意味が分からん。
     まぁまずは、この学校で一番ラブラブと言われて有名な秋野英二と、麻倉汐里の話を聞いてみよう。
     その二人を注目しながら見てるクラスメイトが多いからな。 ミカとさっきまで言い争っていたと予想できる。
     俺は鞄に入っている教科書類を机に入れながら耳を傾けた。

    「…それにしてもひどいよね、せっかく”生き返って来た”『ウル』を”殺せ”、だなんてさ」
    「まぁ、こんな世界に”生き返る”っていうことは無いから、誰か親切な人が俺らの家族を悲しませないように『ウル』に似た犬を連れてくるっていう可能性もあるじゃん」
    「でもその『ウル』に似たワンちゃんは、生前の『ウル』の首輪をしていたんでしょ?」

     …ん?ちょいちょい待て待て。
     英二が昔飼っていて死んでしまった犬、まぁ多分『ウル』と呼ぶんだろう、が、生き返って英二の家に帰って来たってこと?
     それだと本当に”生き返った”ように見えるから仮説として、英二が言うように誰か親切な人が「死んでしまった」という知らせを受けて、『ウル』に似た犬を探して英二の家の前に置いておいたってことか…?
     確かに本当に”生き返った”みたいになるからな。 でも汐里が言うには「生前の首輪をしていた」…………?

     俺は疑問に思いながらもすべての教科書類を机に入れて、そして鞄を後ろの棚に持っていく。


    「………でもね、火葬したときにその首輪も、


     金属外して入れたんだよ」


     俺はその言葉を聞いてゾッとして、棚に鞄を入れる途中で体が止まってしまった。

     そのまま一度深呼吸をし、鞄を棚に入れた。

     …い、いや、同じ形をした首輪かもしれない。 同じ素材を使っていただけかもしれない。…ってかペットを火葬するなんてあるんだなぁ~。
     俺はそう半分言い聞かせながらも、棚に入れた鞄から本を持って席に着く。

    「…………え、なんか怖くない、?」
    「…だ、だよね…………」

     流石に英二も汐里も怖く思ったらしく、腕を抱えながらブルブルと震えている。
     そのあとからは良く聞こえなくてわからなかったが、身を寄せて抱きしめている光景を見るに、多分英二が汐里に「大丈夫」とか、逆に心配になりそうな言葉を掛けていると思う。
     カップルってだけで安心するのだろうか。 俺はこの人生でいたことすらないからわからない。
     そのまま俺はいつも通り小説を読む振りをする。

     ”生き返り”…………。そんなファンタジーなことが合ってもいいのか…?
     いやでもミカが水を操っている姿を目撃してしまった以上、俺も少しだけ期待してしまう。


     …もし、ペット以外も生きて返ってくるのなら、俺の親父も母さんも…………

     ”生きて返ってきた”ことを全否定できるわけじゃないし、現実味がないのもわかってる。
     でも、そう考えたらペット以外にも人間も生きて帰ってこれるのかもしれない。
     もし帰ってくるのなら…………


     ドン!!


     そんなことを考えていると、一瞬で現実に戻されるような感じで、教室のドアが勢いよく開いた。

    「やっ、やめてよ!」
    「うるっせーよドブ女が!!」

     そして良くミカのことをいじめている桐島玲奈が、案の定ミカの髪を掴みながらおでましである。
     ミカが教室を出た後にさりげなく追いかけるように教室を出て行ったのが見えたから、なんとなく予想はついていた。

     桐島玲奈。 噂だと中学生の時も俺と同じような陰キャの女子をいじめていたらしく、理由は「好きな人が奪われたから」らしい。
     ミカも同じような理由でいじめられているのだとか。 ミカのことを好きになった男子、または玲奈が好きだった男子のことは一切知らないけど。
     そう聞くとなんだか、「女子って怖いな」って思うのも必然だろう。

     玲奈はそのままミカの髪を引っ張り、英二と汐里のところまで行く。

    「こいつだよね、英二んとこの『ウル』を殺せって言ったやつ」
    「…う、うん……ま、まぁ、大丈夫だよ……俺なんもされてないし…………」
    「…そ、そうだよ……そこまでしなくても…………」

     英二と汐里の震えた声に「そうか?」と玲奈が問うと、そのまま二人はブンブンと頭を上下に振った。
     その瞬間に教室のドアがまた開かれ、「授業するぞー」と先生が入ってきた。

     俺は少しだけ疑問に思いながらも、本を机の中にしまったのだった。


     ◇ ◇ ◇


     個人的に本は好きだ。
     この世に存在している物語の大半がフィクションだとしても、それに縋るようにして俺も平然を装っている。
     多分、そのフィクションの存在が無ければ俺は壊れてしまう。
    「本くらい夢見させてくれよ」って思いながら、でもやっぱり「自分は弱い存在なんだ」と、自分で許して自分で否定して、という無限ループを繰り返す毎日。

     まぁそんな毎日を今日も繰り返すわけで、本屋に寄って第一印象が良かった本をなけなしのお金で買う。
     お金は親父が残してくれた遺産があるからそれで生活しているが、そのうち底が突くと思うので少しずつバイトをして稼いでいる。
     でもバイトが無い日はこうやって本屋に寄って少しだけ暇を潰す。
     読むジャンルは…………ノンフィクションじゃない作品なら大体すべて好きだ。 理由はないけど。
     ミカのことを”人間観察”するようになってからカモフラージュするために本を買い、家でなんとなく読んでみると面白くてハマってしまったのだ。
     学校では”人間観察”、家ではしっかり本として機能する。
     作者には悪いが、しっかり読んでいるから許してくれ。

     俺はポケットからスマホを取り出し、買った本の内容を調べてみる。
     第一印象が好きで買った本だから内容がわからないし、ましてやアタリハズレがある。
     ハズレたらお金の無駄だし、フリマアプリを愛用させてもらっている。
     まぁ買う前から本の内容を調べとけって話なんだが。

     今日選んだ本は「君を守りたい」という短編小説。
     ネットであらすじを見る限りハイファンタジーラブストーリー?で、不思議な力を持った主人公がなぜか”怪物”狙われているヒロインを守り、最終的にその”怪物”を全部倒したかと思えば主人公は不思議な力で病に襲われ切なく死んでしまう、という感じだろう。

     なんというか、こういうありふれた設定がなんとなく心に来る。
     そりゃ見まくったら先の展開がなんとなく読めてきて面白さが無くなるだろうけど、俺はまだその領域まで達してないから楽しめる。
     俺は少しだけ楽しみにしつつもスマホをポケットの中にしまい、見えてきた自分の家のほうを見る。


    「ん、…………電気が、ついてる?」


     辺りはまだ少しだけ明るいが、家の中に入ってしまったら少し暗いくらいだろう。
     カーテンもしてないっぽいし、こっちからは良く見えてしまう。
    「電気消したっけ?」と一瞬だけ思うが、朝電気をつけた記憶がない。 ましてや明るいのに電気をつける理由がない。

    「ううっ、」

     俺は、風なんて吹いていないのに心から寒さを感じ、それと同時に恐怖を味わった。
     両手で腕を抱え、じわじわと自分の家に近づいていく。

     最近ここらへんの近くで泥棒だなんて聞いたことがない。 そしてなにか物を盗むに限ってこんな貧乏な俺の家は絶対に選ばないはずだ。
     誘拐?ストーカー?誰かのいたずら?

     …………それとも、母さん、?

     一瞬だけ頭によぎるが、「そんなわけない」と頭をブンブン振る。
     スマホですぐ警察を呼べるようにして、知らない人だったらすぐに逃げて警察を呼ぼう。
     俺はそう決意を固め、ゆっくりとドアの前までたどり着く。

    「…はぁ、すぅっ」

     俺は一度深呼吸をし、持っている鍵でドアを開けようとする。


     カチャッ

    「…………っん、?」


     いつも鍵を開ける時に鳴る「ガチャ」という音ではなく、鍵が開いていると知らせるような軽さと音が俺の五感を刺激する。
     一瞬で冷や汗をかき、鳥肌も瞬時に立ってしまう。

    「ゴクッ…」

     俺は唾を飲み込み、恐る恐るドアを開けた。
     さっきの鍵を開けた時とは比べ物にならないくらいに重いドアを開けると、そこには…………


    「…………母、さん…?」


     俺の母さんが、エプロン姿でキッチンに立っていた。


    「…………おかえり」


     母さんはそう言いながら笑顔を浮かべる。


     ドサッ


     俺はそんな光景に驚きを隠せなくて、鞄を地面に落とす。

    「…本当に、母さん、なの……?ほんと、なの…………?」

     俺がゆっくりそう問うと、それを真似るように母さんは頷いた。

     涙がぽろぽろと流れ落ち、玄関で靴を脱いで母さんに近づく。


    「…はぁっ、っく、」


     母さんの目の前にたどり着くと、生きていたころと同じ、綺麗な肌が俺の目に映る。

     俺は手を伸ばして母さんの肌に触れる。


     暖かい。


    「…母さんだ……! 母っ、さん…………!」


     言葉にならない声を発するのと同時に、母さんは両手を広げる。

     俺はそのような光景にまた涙腺が崩壊し、母さんの胸に飛び込んだ。


    「うううっ、……!」


     言語化できないくらいの泣き方で、力強く母さんのことを抱きしめた。

     母さんが帰ってきたという安心感と、これまでずっと一人で悲しかったという感情が一瞬で込み上げてくる。


     そのまま泣いていると、俺の顔に一滴の水が流れ込む。

    「…もう、私まで泣きたくなってくるじゃない…………」

     母さんの涙だった。

     優しく撫でていた手はそのまま俺の背中へ回され、ギュッと抱きしめられた。


     あぁ、母さんだ。

     戻ってきたんだ。

     俺も母さんのことを強く、強く抱きしめて、母さんの暖かい胸の中で泣いた。


     コポコポコポコポ…!


     時間が経つにつれて、目の前にある鍋から水が吹き出しているのを目撃する。
     俺が「ちょっ母さん!」と叫んだ瞬間に、母さんが慌てて火を止めた。


    「ふふふっ、はははっ!」


     俺はそんな状況に笑った。
     母さんも俺に釣られて笑う。


    「あっ、もうご飯できるわよっ」

    「槻の涙でびちゃびちゃ」と笑いながら、さっきまで沸騰していた鍋の中をかき混ぜる。
     俺は口角が上がったまま席に付き、また泣きそうになりながらもご飯ができるまで待つ。

     でもそこまで時間が経つわけでもなく、大きな器に盛られた夕食が食卓に並ぶ。

     キャベツの味噌汁、白米、そして母さん特製のハンバーグ。

     もう本当に、涙が溢れた。

     久しぶりの温かいご飯、久しぶりの母さんの手作り。
     今までコンビニ弁当だったりで済ませていた俺には、心にグサッと突き刺さるかのように響いた。

     涙を袖で拭いながらキャベツの味噌汁を口に入れてみる。
     食べたいという感情が大きすぎて「あつっ」と舌を少しだけ火傷するが、そのままゆっくりと飲んでみる。

    「ううっ、」

     俺は一度味噌汁を置き、箸を掴む。
     そしてハンバーグへと箸を向かわせ、白米をお皿代わりに食べてみる。


    「ほんと、美味しいよ」


     涙がずっと流れていて止まらない。
     でもこの美味しさをもっと堪能したくて、拭く暇もなく食べていく。

    「もうっ、そこまでガッツいて食べなくても逃げないのに」

     そう母さんは答えるが、目が少しだけ潤んでいる。
     さっきあれだけ泣いたのに、全然止まる気配が無いのは母さんも同じようだ。


    「母さん、おかえり」


     夕食を食べ終わり、安心感に浸っていた俺は次第に睡魔に襲われ、眠りについた。

    • 3 匿名さん   [2026-02-28 22:54:38]  通報

      ガタッ…

     俺はその音で起きた。
     母さんが寝室まで運んでくれて、毛布をかけてくれたらしい。暖かい。
     でも起きてしまったし、水も飲みたいから少しだけ起きるとするか。
     母さんは起きてるだろうか? いやでも今の時間遅いし寝てるかな…
     あっ、寝室!俺このまま寝ちゃってるけど大丈夫かな…

     そう思いながらも重たい体をゆっくり上げて、電気がついているリビングへ足を運ぶ。


    「ごめん母さん寝ちゃっ…………」


     俺がそう扉を開けながら答えると、目の前の光景に絶句する。

     瞬時に目が覚め、大きい尻もちをついた。



    「ニ、ゲテ…………」



     母さんと”思われる”人…と言うか、もう人という原型は留めていないこの化け物は、俺に逃げるように促す。

     目がギロッと俺の方を向いたかと思えば、ゲームのバグのような物で体を包む。


    「…あああ、あああああああああ!!!」


     俺は瞬時に起き上がり逃げようと試みるが、そこは寝室の壁。

     周りも暗くてなにも見えない。

     そのまま壁に背中を合わせて、母さんの姿を見ることしかできなかった。


    「…ニ、ゲテ…………」


     母さんはそう言いながらも俺の方へゆっくり近づいてくる。

     そのまま目が白く輝いている母さんを見ていると、右手をこちらにかざした。

     そして――


    「あがっ!???」


     右手が肉の塊と化し…いや、何物でもない物体に変形し、俺の手首を刺した。

     激痛に犯されながらも必死に抵抗しようと試みるが、そのまま宙に吊るされてしまう。


    「母、さん…」


     そう呼んでみるも、返答は無い。

     ギラギラと輝いた目でこちらを見る以外には。


     その瞬間に思い出した。

     俺が考えていた、死後の世界について。

     理由はわからないが、瞬時に回想に入る。

     走馬灯なのかなんなのか良くわからないが、多分そのようなものだと断定していいだろう。

     死後の世界。 それは、良く読んだ本の中の定番である”異世界転生”か。

     或いはこの世界の他の動物、それか同じ人間に生まれ変わるか。

     或いは、常に”睡眠状態”となるのか。

     …………もう、どれでも良い。

     早く殺してくれ、母さん。

     いや、目の前にいる人…というか化け物は母さんではないのではないか。

     だったらあのご飯はなんだったんだろう?あの涙はなんだったんだろう?

     さっき聞いた、「ニゲテ」という言葉はなんだったんだろう?

     ……もう良い、埒が明かない。

     その触手と化した右手で俺の心臓を貫けばいい。

     もう何も見たくない。 何も感じたくない。

     ずっと孤独でいいから、ずっと辛くてもいいから…

     だから…………



    「槻!!!」


     その瞬間、俺の声を呼ぶ、聞き覚えのある声が脳に響く。

     俺がゆっくりと目を開けると、そこには――


    「……ミカ、?」

    「あぁそうだ!」


     母さん…いや、化け物の触手を”青い剣”で防いでいる。

     ミカはそのまま触手を左側に寄せて、床に突き刺すように促す。


     ドガーン!!


     畳に突き刺さった触手は化け物によって引き抜こうと試みるも、その隙を逃さずミカが襲いかかる。


     ジャキン!!!


     切れたと思った瞬間に、触手はシュルシュルと化け物の右手に収納され、再生する。

    「やっぱ再生早いな… 槻!説明は後!!」

     ミカがそう叫んだ瞬間に、俺の足元に一つのナイフが転がる。


    「それでこいつを刺せ!!」

    「はっ!?できねぇよ!!」

    「いいからやるんだ!!死にたくないだろ!?」


     ”死にたくないだろ?”、そう聞かれて出る答えは、真っ先に「NO」だった。

     死にたい。

     生き返ってきた母さんは化け物と化し、もうこの世界で生きている理由なんてない。

     ずっと辛い思いをするのなら死んで当然。

     瞬時にそう判断できた俺は、そのナイフを持った。


    「…………」

    「おい槻!なにやって…!」


    「もうほっといてくれよ!!!」


     ミカは化け物の攻撃を青い剣で受け止めながらも、突然の叫びに驚く。

     俺はナイフを首に向ける。


    「…親父も母さんもどっちも死んで、一人ぼっちで……母さんが帰ってきたという希望があったとしても最終的に良くわからない化け物になる!」

    「母さんだと信じたいけど、こんなのもう母さんじゃないよぅ……」


    「こんなの、現実じゃないよ…………
     俺は、夢か何かを見てるんだ…………」

     そのまま俺は尖った部分を首に押し付ける。

    「いつになったら目が覚める!?いつになったらこの辛い思いから逃れられる!??
     …もう、懲り懲りなんだよ…………」

    「待って!死なないで!!!」


     ごめん、母さん。

     死後の世界が母さんのように化け物になるのだったら、その運命を受け入れるとする。

     から、今は、少しだけ…………


     グサッ


     俺は、そのナイフで首を刺した。

     頭に残っていたのは、ミカが言っていた「待て」という言葉だけだった。


     ◇ ◇ ◇


     俺はどうなるのだろうか。
     死後の世界に行くのだろうか。
     それとも母さんみたいに化け物と化するのか。
     正直、どれでも良い。
     この辛さから解放されれば、どれでも…………


    「あ、おはよ。 槻」

     俺は呆れながらも、ミカに聞いた。

    「……なんで俺生きてんの、?」
    「なんか奇跡的に生きてたから、私の力で傷を癒しただけ」

     そう言われて自分の体を見てみると、所々に包帯が巻かれている。
     目を覚ました時は衝撃的過ぎてそんなこと気づくはずもなかったのだ。

    「…これがお前の力、?」
    「いや?本当の力はこっち」

     俺がそう問うと、ミカは俺の目の前にあるコップに水を投げ入れるようにして、右手を捻った。

     ぽちゃん、とバスケのスリーポイントシュートのように水が入るその光景は、驚くこともなかった。


    「あ、ご飯。 もうできてるよ」

     そう言いながら、湯気が立った朝食が俺の席の前に並べられた。

     白米、味噌汁、目玉焼き。シンプルだが実際には俺の大好物。

    「いただきます」

     俺は両手を合わせて箸を取り、まずは味噌汁に手を付けてみる。

     昨日母さんが作ってくれたキャベツの味噌汁はどこに行ったのやらと思いながらも食べると、それはまた母さんとは違う旨さを引き出している味噌汁に胃袋を掴まれた。

     目玉焼きにはソースがかかっていて、白身のところを箸で上手く切り、白米のお供のように食べてみた。


    「…どれも美味しいな」


     なぜか、その言葉を口にしていた。

     でもその感想は偽りでもなんでもなく、本当に俺自身が感じたものである。
     母さんの料理とはまた違って、良い味を引き出せている。最高に美味しい。

     俺はそのまま急いで口に放り込んでいると、ミカが「ふふっ」と笑う。

    「なんだよ」とも思ったが、朝食を作ってもらっている身からすれば何も言えなくなってしまう。

     少しだけ疑問に思いながらも、俺はすべて完食した。



    「…さぁ、聞かせてもらおうか」
    「まぁ、そうなるよね」

     疑問はいっぱいある。
     なぜ母さんが帰って来たのか、なぜ母さんは化け物と化したのか、なぜそれに気づいたミカが俺の家に来て母さんと戦っていたのか、まずまずミカとは何者なのか…。
     言いだしてもキリが無い。

    「…質問する数が多すぎるからパパっと行くぞ」
    「答えられる範囲で答える」

     俺はミカが魔法で入れた水を飲み、質問に入った。
     色々と長いから要約させてもらう。

     この世界には「異在」、つまり昨日の朝に揉めていた時にミカが発していた「ノイズ」とやらが存在しているらしい。
    「異在」とは、死んでしまった”動物”が生き返るために、生きている人を殺してその体に乗り移るということができる存在である。
     死んだ後に行く「死後の世界」で、「またあの世界に戻りたい」と強く願うことによって「異在」になることが可能だそうだ。
     ではなぜ、母さんは化け物と化したのだろうか。
     それは、「異在」になって手に入ったその体は"偽り"だから、というのが取り上げられるとミカが言った。
     そのままこの世界でずっと暮らしてしまうと、数日経ったときには記憶とともに消滅してしまう。
    「早く自分の体が欲しい」、「早く自分が生きているという事実を作りたい」という衝動にも駆られるらしいと、ミカは深刻そうな顔で伝えてきた。

    「なるほど、大体わかった」
    「ならよかった」

     一通り説明を聞いた後、俺はまた水を飲んだ。
     それと同時に、また疑問が思い浮かびあがってくる。

    「なぁ、ミカ」
    「ん?」


    「なんでそんなことを詳しく知っているんだ?」

     そう問うと、ミカはコップを掴んで下を向いた。
     さっきまでの雰囲気と、また何か違う。

    「……やっぱ言わないといけないよな」
    「え、そんな言えない理由があるのなら別に……」
     
     そこまで深刻そうにするのなら、俺は知らない方が良いということでもあるのだろう、と瞬時に解釈してそう伝えたが、俺の言葉を遮るように「大丈夫だ」と答えた。

     少しだけ深呼吸をし、またミカは口を開く。
     

    「……実は言うと、私は"実花"じゃないんだ」

    「ミカじゃ、ない……?」



     ◇ 実花side ◇
     私が高校生の頃に、女手一つで育てていたお母さんが亡くなった。
     生きる理由もなくなったかと思ったが、そんな中でも私を支えてくれたのが"実花"だった。
     ずっと笑顔で、私が泣きそうなときには学校で起きた面白い話を持ってきて話してくれる。
     そんな実花が、ずっと好きだった。

     そんな実花のためにアルバイトをしていた時に、私はセクハラを受けることになった。
     実花に言えるわけないし、もし他の人に言ったら撮っていた動画を拡散するぞだとかなんだとか、いろいろと脅されて何もできずに居た。
     そんな苦痛から逃れるために、私は自殺した。

     そこから私は、「死後の世界」で実花を見守っていた。
     一人で働いて、一人で家に住むのだろうなと思っていた。
     私と同じ苦痛を味わうのだろうと思っていた。
     でも、そんな思いを踏みにじるかのように実花は報われる。

     私が死んだことをいいように、住む家や頼れる人を見つけたのだ。
     腹が立った。
     あれだけ一生懸命に働いて実花を支えてきたのに、その苦痛を次は実花が味わう予定だったのに、私が一番辛かったのに……
     そう思いながら見続けると、実花はこの世の誰よりも幸せそうな顔で笑っていた。
     この世は理不尽だと思った。私にも実花が味わっているような幸せをくれたっていいじゃないか、と何度も思った。

     だから、私は「異在」になった。
     私自身が実花になれば、幸せを奪えると思ったのだ。
     そのまま躊躇いもなく、私は実花を殺して、その体を奪った。

     そのあとに気づいたのは、姉失格だということ。
     言い訳に聞こえる……というか、言い訳をしていると認めるが、異在になると理性が飛んで自己中心的になるから、私は何も考えずにこのようなことをしでかしたとなんとなく理解した。
     それと同時に、体と、「幸せ」を奪ったのだなと実感した。

     実花が頼っていた人は本当に優しい人だった。こんな人が実花のことを支えてくれるのなら死ぬまで安泰だろうと思うくらいに。
     でも、実花自身はもういない。私が奪ったから。
     だから、私はその人から逃げた。 「探さないでくれ」と手紙も置いておいたことはまだはっきり記憶にある。
     そこからは一人で生きた。実花が中学生だったこともあり、高校生と年齢を詐称し、アルバイトをこなした。
     前みたいにセクハラを受けないように振舞ったし、お金も着実に集まって、近くの公立高校ならギリギリ行けると確信した。

     そんな中、私と同じような「異在」を見つけた。
     その「異在」は今回のような母親で、息子を殺して自分の物にしようとしていた人だった。
     その人を見つけるのと同時に、私は超能力に目覚める。
     意識するだけで、水を操れるようになったのだ。
     なぜ手に入れたのかは知らないが、多分「異在」が関係しているのだと思いながら、あまり考えないようにした。

     こんな力がある。 私と同じ「異在」がいる。
     流石に助ける以外の選択肢が無く、私は水で剣を作成し、その母親を殺した。

     結果、その息子は自殺した。
     父親はいたらしいから、その父親のネクタイを使って首を吊ったらしい。
     母親のことは息子が隠していたそうだ。 だからできるだけ精神は病んでないと思われたが、やはりそんなわけはなく、今年くらいに自殺したと噂で聞いた。
    「生きる理由が無くなった」と毎回口癖にしていたらしいのだ。

     私は申し訳ないという気持ちは無い。
     でも、もうちょっとやり方があったのかなとも思った。
     「異在」のことを話すだとか、最後くらいは息子さんに殺させる、とか。
     まぁ、今考えたって仕方がない。そう私はケリをつけた。

     そこから私は、この世界にいる「異在」を"全員"殺そうと決めた。
     前まで「異在」だったからかわからないが、誰の元に「異在」が来たのかって言うのは"感"でわかるようにもなった。
     親族と会う前に始末するだとか、会ってから事情を説明して殺してもらうとか。
     昨日の朝言っていた、「ウル」の件もそうである。 なんとなく「異在」が来ることは理解できた。
     そこから、今に至る。


     ◇ ◇ ◇


    「…………なるほど」

     ミカ……いや、ミカ姉の説明を聞いてから、俺は少しだけ震える手で水を飲んだ。

    「槻が私のことを目視するようになってから『異在』が来ることは知っていた
     だからいつかは言おうかと思ってたんだけど、ほかの『異在』を始末するのに結構な時間がかかってしまった
     本当に申し訳ない」

     人間観察と称して見ていたことはバレていたのか……と少しだけ絶望しながらも「まぁ、大丈夫だ」と会釈した。

     「まぁ、そういうことだから
     私は学校行くけど、槻は今日くらい休みな」

     そう言いながらミカは席を立ち、横に置いてあった鞄を持った。
     そして俺が反応する前にミカは家を出てしまった。


     また、俺は一人になった。

     静かな家。 壊れた畳。 母さんの残骸。

     色々とハイテンポすぎて、現状を理解するのに少しだけ時間がかかった。

     昼過ぎになったと同時に冷蔵庫を開けると、「しっかり食べろよ」という文字と一緒にラップに包んであるオムライスが姿を現す。

     それを温めて食べながら、俺はまた考える。


     ミカはすべて自分で抱えていて、俺は今回の件で助けてもらった。

     まぁミカみたいな力は無かったし、「死にたい」と考えてしまうのは今考えてもなんとなくわかる。


     ……でも、ずっとこのままでいいのか?

     今回みたいに、また襲われる人が現れるだろう。

     俺みたいに、「死にたい」と思う人が現れるだろう。

     そんな人たちをミカ一人だけで立ち向かわせて、いいのか?

     ……俺の憶測だが、母さんが化け物と化したときに言っていた「逃げて」という言葉。

     母さんには、多分だけど俺を守りたいという思いはあったはずだ。

     だからそんな言葉を発したのだろう。

     すべての「異在」がそんな思いを持っているとは限らないが、十分見込みはある。


    「異在」は、"完全な悪"じゃない。


     でも暴走する未来は変えられない。

     Q.ならどうする?

     A.できるだけ苦しませずに、殺すしかない。

     ミカがそこらへんをしっかり考えて殺しているとも思うが、一人で抱え込むよりも二人で抱え込んだ方がよっぽどマシだろう。


     さっき言った通り、ミカのような力は俺にはない。

     けど…………


     一日を無駄にしてしまった。

     時刻はすっかり夜。でもちょうど良い。

     俺は無意識に家を飛び出していた。

     そして向かったのはミカの力を目撃したコンビニ。

     いないとは思うが、今すぐにでもこの気持ちを伝えたい。

     だから、走った。


    「はぁ、はぁ…………」

     コンビニの前に来ると、光によって大きく露わになった陰が出てくる。

     この間と同じシチュエーション。 …………ミカだ。

     俺はそのままミカの元へ走って行った。


    「槻?どうした?」

     そう聞くミカとは裏腹に、俺ははぁはぁと息を切らす。

     そして深呼吸をし、大きな声で宣言した。


     「俺も、『異在』を殺す」

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