詩*ポエム*歌詞

１+１の和は
１より増えるけど。
１×１の積は
１より増えない。
角度が違うだけで全く違う。
まるでヒトみたいだ。

この世は全てみんな違って、
わかり会えるなんて不可能で。
決してひとつになんてなれなくて。

それでも一生懸命に
人間らしく
等身大の生き方をする君が、
ぼくの憧れであった。

それなりに失敗して、
それなりに努力して。
喜んだり、
怒ったり
哀しんだり
楽しそうに笑ったり。

全てが羨ましくて、
完璧じゃないのが
とにかく愛おしかった。

反面ぼくは、
他人にはお誂え向きの作り笑顔で
ミスを見せないように慎重になったり、
真面目に見せるために人前でのみいいことしたり。

まるで本物の壁見たいに、
薄っぺらくて、
固く揺らがなそうに見えて
衝撃には弱い。
おまけに人間との関係性を遮断する。
これが完璧なのかな？

だとしたらぼくは、
叶えたい願いがひとつ。

『この世界の中でぼくはいなかったことにして下さい』
そう呟いて、
壁の修復に戻るぼくだった。