鏡音モナ 2022-05-23 20:46:17 |
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第八章「どちらとも」
「何かあったのかな…」
安田さんはそう言いながらインターホンを鳴らした。でも返事がない。それから二、三回と押しても返事はなく、私のなかで次々と予想が浮かんだ。もしかして留守?いやでも絶対にいつもはどちらかが家にいる
「お…おじゃましまーす…」
ドアノブに手をかけると鍵は掛かっておらず、あっさりと中に入ることができた
……家の中は血まみれだった…… 安田さんは外に犬をくくりつけると家の中に入ってきた
「え……?なにこれヤバイでしょ…」
急いで靴を脱いで家に上がると……リビングには胸元に包丁が突き刺さった状態で倒れているリン先輩とレン先輩がいた………
「「キャアアアアアアアア!!!」」
家の中には私と安田さんの悲鳴が響いた。それを聞き付けたのか近所に住んでいるメイコさんが家の中に入ってきた。
「ちょっとどうしたの……って……え?」
二人の状態を見たメイコさんは言葉を失っている………
「とりあえず救急車を………!!」
メイコさんは急いでスマホを取りだし、救急車を呼んだ
数十分後には救急車が到着し、二人は病院に搬送された………だが…
「ご臨終です………」
医師は冷たくなったリン先輩とレン先輩に布をかけて手を合わせた。二人とも心臓を貫通していたらしく、もう助からない状態だったらしい……
私の右隣に立っているメイコさんは、リン先輩とレン先輩と仲が良かったらしく、もう涙も出ない様子だった。するとドアが大きな音を立てて開いた
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