鏡音モナ 2022-05-23 20:46:17 |
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第九章「遺書」
私はリン先輩とレン先輩が病院に搬送されたという連絡を受けて急いで病院に向かったが……薄暗い病室のベッドには冷たくなったリン先輩とレン先輩が横たわっていた………
「うそ……そんな………」
目から涙が溢れるのが分かった…………二人は昨日まで元気にしていたのにどうして………?
すると病室の中に数人の警察官が入ってきた。
「夜音モナさんですか……?」
「はい………」
「こちらの書類を見ていただきたいのですが……」
警察が取り出した書類にはDNA鑑定の結果などが細かく記載されていた。どうやらリン先輩とレン先輩以外の人物のDNAは摘出されなかったらしく、二人で殺し合いをしたのではないかと推測されている
……二人が殺し合い…?あんなに仲が良くてお互いを大切に思っているのに?
私の頭の中は悲しみと疑問でいっぱいだった。
そして葬儀が行われ、たくさんの人が訪れた。リン先輩とレン先輩のクラスメイトや知り合いなどの多くの人が……見渡す限り人、人、人……みんなが泣いているのを見るとリン先輩とレン先輩は私含めて多くの人に愛されていたんだなと思う。
私は二人の写真とキーホルダーを仏壇の前に置いた。
「遺品整理するか……」
私は押し入れや物置にあるものを引っ張り出して遺品を一つ一つ整理した。物を片付けるときに二つの封筒がするりと落ちた。「私が死んだら読んで」と書いてあるものと「俺が死んだら読んで」と書いてあるものだった。リン先輩とレン先輩が書いたものなのだろう……
封筒を開けて本体を取り出して目を通すと、そこには予想外な事が書いてあった。
なんと二人は私の事が好きだというような事を書いていたのだ。
「まさか殺し合いになったのも……私が原因…?」
内容を見る限り「どちらかが存在しておけばいいと思った」というような文がどちらにも書いてある。
つまり二人は私がいたせいで殺し合いをして命を落としてしまったということになる
「そっか…私さえいなければ今頃リン先輩とレン先輩は笑って過ごしてたのかな…」
実質私は二人を殺した殺人犯ということになる……私は「生きる希望」と「生きる価値」を失ってしまった……だからもう生き続けるという選択肢はない
「天国には行けないかもだけど…もし天国に行って二人に会えたら謝らなくちゃ……」
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