鏡音モナ 2022-05-23 20:46:17 |
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第二章「再会」
……そして私は今ウェディングドレスに身を包んで婚約の為に用意されたパーティー会場に向かっている。車の中から景色を眺めながら相手やこの先の生活のことばかりを考えている
そしてとうとう会場に着いた…いや『着いてしまった』のだ。案内人の後を着いていくとそこには大きな扉があった。その先には100人くらいが入れるような大きな会場があった
「こちらにお座りください」
案内人に言われた通り少し豪華な椅子にそっと腰かけた。その椅子はとても座り心地が良かった…でも私の頭の中は相手がどんな人なのかという事でいっぱいだった。私と同い年?それともとても年が離れた人?前世で会ったことのある相手?
………私には前世の記憶があり、その記憶の中には『初恋の人』がいる。その人に会えたらな……なんてそんなことあるわけないか……そうこうしているうちに扉が開いた。
「あら。もう来られたのかしら?」
母がそう言った瞬間私のところにスーツに身を包んだ一人の少年が歩いてきた……ん?どこかで見たことあるような……
「あの……もしかして…モナ…?」
「え…?」
いきなり名前を呼ばれて思わず目を見開き、コクりとうなずくとその少年は私の事を抱きしめた
「やっぱり…会えてよかった…」
「もしかしてあなたは…レン君……?」
私がそう言うとレン君は私から手を離して、再会できた事に感動したのか少し涙を流してほほえみながら「そうだよ。覚えててくれたんだ…」と言った。母は私とレン君が上手く行っていると思って安心したのか「ふふっ」と笑うと会場から出ていった
二人きりになって気まずい空気が流れる……でもすぐに扉が開いてぞろぞろと人が入ってくる。『あんなにイケメンな男の子と結婚できるなんて羨ましいわぁ~』『しかもボカロの世界の住民と結婚すると不老不死になるなんて…めちゃくちゃ良いじゃないの~』とたくさんの人の話し声が聞こえる。私とレン君は住んでいる世界が違うので子孫は残せないけれど二人で永遠に一緒にいられるのか…
悪くないかもしれない……
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