鏡音モナ 2022-05-23 20:46:17 |
通報 |
第八章「難病」
そしてかれこれ一年の年月が経った。今でも悪い夢を見てしまう。今までレン君には黙っていたけれど思いきって相談することにした。
「ねぇ……レン君。最近…というか一年前くらいから悪い夢ばかり見るんだけど…」
「え……?一年?どういう種類の悪夢?」
レン君は書類の整理をしていた手を止めてこちらを向いた
「うーん……昔経験した辛い事を思い出させるような感じ…かな」
「モナ今すぐ大きい病院に行こう……」
「え?どうして?」
私はレン君に手を引かれて外に出た。外には田村さんがいた。
「行きましょうか………」
車に乗せられ、その車は近くにある大きい病院へと向かっていった。……数分後…病院についた
田村さんは車の中に残り、私とレン君は病院の中へと入っていった
「鏡音モナさん」
看護師の声が待合室に響く。長い廊下を渡って診察室へと通された。女医に事情を話すとなぜか私だけレントゲン室に通された。そして数分後女医はまた私とレン君を診察室に戻し、モニターにレントゲンで撮った写真を写して話を始めた
「モナさんはレンさんと結婚されたので不老不死になっていると思います。ですが…」
女医はしぶしぶとした顔でモニターに棒をあてると話を続けた
「モナさんの場合。不老は取り込まれましたが不死は取り込まれていません…」
「え………?」
レン君の顔が一気に青ざめるのが見てて分かった。女医はさらに話を続けた
「昔経験した辛い事を夢に見るのはその印です。そしてこれは一つの病気でもあり病名は『悪夢死亡病』です」
「えっと……その病気になった人は具体的にどうなるんですか…?」
病気にかかった私もどうなるのかは気になってはいたけれどレン君の方がそれを気にしているようだ
「余命が薬を使っても二年………使わなければ3ヶ月となります…」
「そ……そんな……何か治療法は……」
「……この病は難病指定です……まだ治療法は見つかっていません……」
レン君の問いに対して女医は淡々としたようなどこか儚いような雰囲気で返答した。
私は入院することになり、田村さんとレン君に必要な物を家から持ってきてもらった
……ずっと一緒にいられると思っていたのに…
|