鏡音モナ 2022-05-23 20:46:17 |
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第三章「恋心」
以来、私はリン先輩とレン先輩と話すようになった。今まで同年代の子としか話すことが無かったので少し緊張したけれど二人はそんな私の緊張をほぐすように優しく話しかけてくれた。二人は相方のような関係らしいが一緒に住んでるようだ。
……でも最近私は特別な感情を抱いてしまっている……
普通の女の子ならここはレン先輩に恋をすると思う。でも私は小さい頃から根っからの同性愛者だ。レン先輩ではなくリン先輩に恋をしてしまっている……
レン先輩の事は仲のいい先輩として見ているが、リン先輩の事は一人の女の子として……いや好きな子として見てしまう……
この性格のせいで昔から同級生に「気持ち悪い」と言われることがあって心は傷付いたが、この性格を直そうと思ったことは一度もない。
しかし、私と二人は天と地ほどの差がある。二人は三年生の先輩たちから「可愛いね」とか「今度一緒に遊びに行かない?」などと言われて好感を持たれているが、私は二人以外の二、三年生の先輩たちから話しかけられる事はなかった。「可愛い」と言われたことはおろか陰では「可愛くない」「リンちゃんとレン君と比べたら月とすっぽんくらいの差があるよねw」などとボロクソに言われている……何かやらかしたとか失礼な態度を取ったとかではない。理由もなく嫌われているのだ。二人が居なかったら私は今頃耐えかねて部活をやめていると思う
今まで会ってきた私より上の人達はマウントを取ってきたり一言一言に皮肉を込めた感じで話しかけてくる人が多かった。でも二人は違う。才能があるとか無いとか、周りから好かれてるか好かれてないかとか関係なく普通に話しかけてくれる
「ねえモナ。最近いいことあった?」
ハルが次の授業の準備をしながら話しかけてきた
「まぁ…ちょっとね」
少しニコニコしながら答えると、ハルは安心した顔で「ふふっ」と笑った
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