鏡音モナ 2022-05-23 20:46:17 |
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第五章「不協和音」
「あー…ねむっ…」
家に帰ってからもレンはずっと眠いと言い続けている。
「あんなにグーグー寝てたのにまだ眠いの?」
私はスクールバッグにキーホルダーを着けながらそう呟いた。
……そんなことより…最近私。鏡音リンは恋をしてしまっている……相手は……部活でいつも会っている夜音モナという子だ。髪を高い位置でひとつにまとめている大人しい女の子だ。
でもこれはいけないことだと心の中で主張している自分もいる。なぜならモナも私も女子だし、これは同性愛ということになる。最近は女性同士、男性同士というような恋愛も増えているらしいがクラスの子や学年の中には誰一人そういう子はいない。まず一番問題なのがモナが私に心を開いていないということだ。レンに対しては心を開いている感じがするが私に対しては話すときに少し恥ずかしがってる様子を見せる。おどおどしているような感じだ。モナはどう見ても普通の女の子だし、レンの事が好きなのだろう。
それならそれで良いのだが、少しレンの事が羨ましい気もする……
さっきからリンはなにかを考えているような気がする。さっきは疲れて電車内で寝ていたけれど実はモナとリンの会話の内容は全て頭の中に入っている…
リンはモナに恋愛的な質問を投げかけていた。前からリンがモナの事を好きだと思っているということは予想していたけれど、あの会話で全てが確信へと変わった。
………でも最近俺もリンと同じようにモナの事が恋愛的に好きだ。会ったときから一目で可愛いと思っていた。でも多分リンも同じ思いなのだろう…
俺とリンはよく色々な人に「双子ではないけれど色んなところが似ている」と言われるが、ここまで似てしまうとは………
「「結局どっちが好きなんだろう?」」
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