おヒメグマ 2022-08-12 21:31:34 |
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階段の手摺から見ることしかできなかった僕はとても悔しくて…
………のに 自分の醜さに逃げるように僕はウーと幽霊のところへとはしっていった。
「え?」
そのころ幽霊は思いがけない出来事に戸惑っていたようだった。
す、す、たった、
モンスターが何事もなかったように無言で立ち去っていく…
「今回はおかしい…」
幽霊は意味不審な言葉をため息をつくように呟いた。
「今回?」
「あぁ、いや、なんでもないよ。ただの独り言。きにしなくていいからね。」
早口で話す声にも少し震えがあった。
だけどそのことに私は気が付かなかった。心になにかがからんでいるきがして、笑顔も悲しみも楽しさも感情からなくなっていたようなきがした。
「ゼェゼェ、た、ただいま…」
「……あれ、ウー、顔が、」
モンスターが壁を壊して飛び込んできたときに出た尖ったガラスの破片をかがみがわりに拾い上げると、私は無表情になっていた。
あぁ、私には感情がなくなってしまったのか、
だけど…救いは………
そんなことは考えていられなかった。
「ずっとここにいると危険だ。早く逃げないと」
「えぇ、またくるの…?」
私を置いて話が変わる。
「地下、屋上にいるのが手っ取り早いんだけど…」
「屋上は僕たちの身長にあったサイズじゃないから…」
「そしたらどっちも同じか…」
どうして?
「だけどこのたてものにちかはないからねぇ」
どうして私を置き去りに…
「じゃあ一旦屋上で…」
?生きている心地がしない?
はなしかけられていないだけなのにどうしてこんなに心が痛むんだろう…
なんだ…この気持ち…モンスターに関係は…
あれ?
感情、ってなんだっけ?
そこからだ、私は他人の感情を詳しく読み取れるようになったのは…
幽霊さんって、もしかして―
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