根来 澄 2025-06-29 14:24:57 |
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3話
「湊斗くん、君、この世界の住人じゃないよね?」
俺の名前は高城湊斗。
現在…
ギルドマスターに詰められている。
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「これ、本当のこと言ったほうがいいんですかね?」
俺は手をかぶせて、小声でお父さんに聞く。
「知らないよ…異世界人を召喚したら駄目だって言う法律はないけど…湊斗くんがいなくなったら困るし…」
「まぁでも、本当のことを話していかないとこの状況は打開できなさそうですから…」
俺は胸に手を置いて、深呼吸をする。
「俺は、異世界人です。」
「やっぱりかぁ~……」
ギルドマスターが頭に手を当てて「はぁ。」と大きくため息をつく。
それを聞いてお父さんたちも「はぁ。」と大きなため息をついた。
「いやぁ、よかったですよ。異世界人だから殺さないといけないとか考えちゃいまして…」
「異世界人だからなにかこの世界に害があると僕も思っちゃいました…」
ギルドマスターは窓のそばまで歩いた。
「まぁ多少の”害”、というか、不具合は生じますよ。」
俺と父さんはさっきまでの安堵とは裏腹に、「げっ!?」と緊張をこぼす。
それを見たギルドマスターは少し沈黙した後に、「わっはっは!」と笑った。
「いやいや、そこまで危険な害ではなくてね…例えば…」
「”魔力の所持が多”かったり、ね?」
俺はそこでやっと理解した。
アニメで異世界に転生した時に、必ずと言っても過言ではないあのチート能力所持ってやつか…
「まぁ今の時代、魔王も倒されたことですし、あまり必要ではないですけどね。」
「ですよね…」
受付嬢はコーヒーを入れ、ギルドマスターに渡した。
ギルドマスターは外で遊んでいるクレアとラーニャを見つめている。
「湊斗くんは、これからどうするんだい?」
「俺ですか?俺は、」
俺はお父さんたちを見つめた。
お父さんたちは「うん」と優しくうなづいた。
「クレアとラーニャと一緒に、旅をします。」
ギルドマスターは少し沈黙したが、「そうか。」と一言言った。
「まぁ異世界人だしな。旅する以外にやることはないだろう。」
「アミューメントを出る日はいつだ?」
「明日です!」
ギルドマスターは少し驚いたように思えたが、明日出るのに対応するように答えた。
「なら、少し援助させてもらおう。」
「え!?本当ですか!?」
「まぁでも、お金くらいしか援助できないけどな」
俺は勢いよく席を立ち、頭を下げた。
「いや、援助していただけるだけで嬉しいです!ありがとうございます!」
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「よし。クレア?ラーニャ?湊斗くん?忘れ物はないかな?」
「はーい!」
「はい。」
「ここから、俺の旅は、始まる。」
そう一言言って、右手を強く握った。
「あっそうだ湊斗くん。」
ギルドマスターは薄いなにかを持って俺に近寄ってきた。
「はい?どうかしました?」
ギルドマスターは薄いなにかを俺に渡した。
「これ、は…ギルドカード?」
「おうそうだ。これから役に立つから、持っとけ。」
俺は「ありがとうございます!」と頭を下げた。
「湊斗さーん!?もうでるよ~!」
クレアとラーニャが先に手を振って待っている。
「あぁごめん!今行く!」
俺は走ってクレアとラーニャのもとへ行った。
そして振り返って、頭を下げた。
「本当に、ありがとうございました!これから頑張って旅を続けていきます!」
お母さんは涙を浮かべて目元に手を添えていた。
お父さんはお母さんに肩を回しながら、俺に手を振った。
「頑張れよ!湊斗くん!」
「クレアたちのこと、任せたわよ!」
俺は手を振って答えた。
「はい!!!」
カクヨムにでも転載しようかな
3話ちょっと文字数減っちゃったけど
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