すここい歌 2025-07-01 15:56:26 |
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意味がわかると怖い話
「消えた写真」
悠里は祖母が亡くなった後、遺品整理をしていた。
祖母のアルバムを開くと、白黒写真が何枚も出てきた。
昭和の祭り、花見、家族旅行??どれも幸せそうな写真ばかりだ。
その中に、いつも写っている家族とは別に、一人だけ不思議な少年がいた。
その少年はいつもカメラに背を向けていて、顔が見えない。
悠里は気になり、祖母にその子の正体を尋ねた。祖母はふと寂しげに微笑んで、こう言った。
「昔、うちにいた子なのよ。でも、もういないの……」
その日の夜、悠里は夢を見た。
祭りの夜、神輿の前でその少年が笑っている。
悠里が追いかけると、少年が振り返り、目が合った。
悠里は声をかけようとした瞬間、少年は腕を大きく振って言った。
「来ちゃだめ!」
夢から覚めた悠里は、ふと自分のスマホに目をやった。
「写真」アプリを開くと、そこにも同じ祭りの写真があった。
スマホの写真はカラーで、未来のはずの自分が映っていた。
そのスマホ写真には──
カメラに背を向けていたあの少年が、悠里の背後で、微笑んでいる。
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