コピック 2012-03-23 13:21:30 |
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ねえ、君は俺のこと好き?
俺は君が好きだ。
世界中の誰よりも好きだ。
どうして離れたの?
どこに居るの?
ねえ、ハル。
好きだなんてもう言えないよ。
ハル以外言う人居ないよ?
俺はまだ幼い。
こんなにもちっぽけな存在。
だから待ってとは言えなかった。
いくら神の子と呼ばれても
変えられない運命がある。
<好きだよ、誰よりも。>
「精市、元気無いね。」
「今度手術があるんだ。不安で。」
隣の病室のハルは同い年。故にすぐ打ち解けて
恋をした。
「そう。頑張ってね」
少し機嫌が悪そうに呟くハルに違和感を覚えた。
「どうかしたのかい?」
「私って死んでしまうのよね。精市みたいに手術で治るモノじゃないわ」
ハルと俺は似たような病気。
現に車椅子生活。
「私、生きたい。生きたいよ!精市は私が居なくなったら寂しい?」
俺の肩を掴んで必死に訴えるハル。
どうしてそんなに必死なんだ?
俺は死ねるなら今すぐ死にたいのに。
どう言えば元気を出してくれるんだ?
元気出して!
かな?うーん…。
「寂しくなんかないよ。そうだ。約束しよう。
君は最後まで必死に病と闘う。
俺は全国大会で優勝するから。」
そう言って差し出した小指は震えてた。
おずおずとハルも小指を差し出して、照れたように小指同士を絡めた。
本当は寂しい。
もっと側にいたい。
どこにも行かないで。
ギュッと抱き締めたも良いかな。
それは全国大会が終わってからにしよう。
そんなことをひたすら考えていた。
今夜君が俺から離れていくとも知らずに。
前編エンド。
続きあります。
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