櫻ヶ谷 2012-04-30 10:04:13 |
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叶わぬ恋
貴方は遠すぎる
私に優しくしてくれる貴方
私に向けているのは、
友情だけ。
わかってるよ、本当は
私の親友が好きなことくらい
苦しいよ
やがて二人は結ばれた
『おめでとう』
なんて、心にもない祝福をする。
本当はいいたくない。
貴方の隣にいたいよ。
叶わないけど、ね。
苦しいよ 悲しいよ
だけど届かない、この声
このままじゃ、二人を恨んでしまう
だから……、
消えてしまおう。
end
僕の言葉じゃ君の心には届かない
そんなこと知っているのに
君を心配する言葉
君を励ます言葉
君を応援する言葉
言っても無駄なのに・・・
届くわけないのに・・・
言わないと君が離れて行ってしまいそうで
消えてしまいそうで怖くて・・・・
意味のない言葉を発している
いつか・・・届くと願いながら
テニス部も引退か。 夕日に照らされるテニスコートの風景も 皆でワイワイガヤガヤした部室も 何もかも終わりなんだ。 悲しいよ。 神様、赤也たちには優勝旗を。 もう終わりなんだね。
突然の雨で泣いてるのか泣いてないのか分からないから ちょうど良かった。 「幸村くん?」
殴るような強い雨の音にかき消されそうなか細い声。
でも確かに聞こえた。
幸村くん、て。
声の主は誰なのか。
振り向いても 傘を差す人物が居るだけ。
あの子かな・・・。
なんて期待しながら 歩み寄った。
パシャ、と足が水を蹴り、 声の主を確認した。
確認したあと普通に傘の中に入った。
「凪。」
「幸村くん・・・。」
「へえ。泣いたんだね。今日コンクールだっけ。」
ちょうど吹奏楽コンクールが俺たちの決勝と同じ日で。
「ちょっと愚痴って良いかな」
「うん。」
「吹奏楽部は二年前まではずっと金賞だったの。」
「うん。」
「でも今年は・・・銀賞・・・で」
「うん。」
どんどんか細くなっていく凪の声に対して雨はどんどん強くなる。
意地悪な驟雨だね…
「悔しくて。」
「うん。分かる。俺たちも負けた」
いつの間にか泣いていた凪の大粒の涙を拭い、
髪の毛を優しく撫でた。
何だか子供の相手してるみたいで
本音がポロポロと零れ落ちた。
「勝てると思ってたんだ」
「うん。」
何故か俺が愚痴り始めた。
凪も困るんじゃないかなって思った。
でも溢れ出す涙と本音はどうしても止められなくて。
優しく微笑む凪、
本当は呆れてるんじゃないかな。
本当は早く帰りたいんじゃないかな。
でももう少しのだけ。
もう少しだけだから
このままで居させて。
「俺、入院してただろう?」
「うん。」
「いっぱい苦労かけたんだ。」
「うん。」
優しく相槌を打つ凪。
どこまでも澄んでいて優しい声は
ボロボロになった俺の心に
響いて
沁みて
沁みて
「だから」
「うん」
「優勝して」
「うん」
「ありがとうって言いたかった。」
「うん」
「どうして負けたのかな」
いつの間にか晴れ渡ってる空。
太陽が眩しくて
雨の匂いが風に応えて。
「ありがとうなら、いつでも言えるよ。」
「え?」
「勝って言いたかったのは分かる。
でも、負けた幸村くんはありがとうってまだ言ってないんでしょ?
なら言わなきゃ。
それで、高校では三連覇してよ。」
「君もね。」
「うん!」
ニッコリ笑って
俺たちは拳同士をコツンとぶつけた。
お互いの手を境に
1つになった影は何だか愛しくて。
「幸村くん、三年間お疲れ様。」
その言葉を最後に凪は俺の頬に軽くキスをした。
ご褒美だよって悪戯そうに笑ってる。
きっといつか
君を抱き締めるから。
全国大会で優勝して
思いっきり抱き締めるよ。
好きだから。
殴るような雨に打たれても構わない。
強くなるための
試練だから・・・
(輝いた季節の驟雨)
-END-
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