小説、詞など No.3

全力疾走で駆け抜けて
脱け出せない縄に飛び込んで
自ら貴方を突き放して
見えない檻から脱け出せない

深い深い森の中
大きな熊さんに出会った
『僕は怖くないよ。ちょっとお茶でもしませんか？』
そういって私のてを引く
もう後戻りは出来ないね
ああ 寄り道なんてしたのが悪いのね
お母さんに言われた通りにすればよかった
籠の中のワインとパンは
炎の中で 溶けてゆく
こんなはずじゃなくて
おとぎ話では 助けてくれたのに
ネエ 私は誰なの？
熊さんは私を見て笑う
『食べちゃうぞ』


紅く赤く染まる 私の手
大きな林檎は転がる
私は嘲笑う
果物ナイフって素敵ね
なんでも切れちゃうもの
さあ 大きな林檎を焼いて食べよう
美味しい オイシイ 林檎パイにしましょう
そういえば 熊さんは 何処に行ったのかしら？
きっと 私の 知らない所ね
さあ おばあさんの所へ 行きましょう
美味しい 林檎を 食べるために
果物ナイフを 片手に
小道を歩いて クスクス笑う
今度は 狼さん
さあ 狼さんは なにを くれるのかしら？