桜風 2012-08-26 09:54:22 |
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一朗太の髪は中学生の時よりずいぶん伸びて、今は腰まである。
朝はまだ髪をまとめてないから、昼間より長く見える。
風丸「いただきまーす…
一朗太は、寝起きの声で挨拶をした。
私はそんな長い一朗太の髪をくしでとかしながら、「ふふっ」と声をもらした。
これが、私の日課。
「…ちょっと、ちゃんと髪の手入れしてる?今日はすっごいボサボサじゃない」
私は「んっ…!」と力を少し入れながらくしでとく。
風丸「ああ…昨日風呂入ってすぐに寝た」
やっぱり…と思いながら、大きなため息をついた。
「こうなると私が大変なんだから、気をつけてよー」
風丸「はいはい…ごちそうさま」
適当に返事をしている一朗太をぷくっと口をふくらませて睨む。
「ちゃんと聞いてる?」
そう言うと、一朗太はこちらを振り向き、私の頬に唇を当てた。
「…!!」
風丸「聞いてるよ。…じゃあ、行って来るよ」
…それは、一瞬の出来事だった。
「___行ってらっしゃい」
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