ひより 2013-02-13 22:04:04 |
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「白石って精神年齢高いよなぁ」
情報の授業中、隣に座っている謙也くんが白石の方を見ながら呟いた。
「まあ白石はね。自分と比べちゃ駄目だよ謙也くん。」
「俺と比べたらジジイと孫やで。…って、そうやなくて。」
流石大阪人。
ノリツッコミたる物をすっかりマスターしてしまっている様で。
謙也くんに拍手してあげてね。
「男の人ってな、女の人より精神年齢が低いんやて。」
「さっきの白石の下りは要った訳?
一般論に 反しすぎでしょ。」
確かに思う。
男子って子供だもの。
でもさ、さっき謙也くんは白石は精神年齢が高いって呟いたじゃん。
今の言い方だと白石が女の子みたいじゃん。
「要る要る。白石はな、精神年齢が高いんや。」
「もうわかったよ。」
「ホンマに、時々ジジイやと思うぐらいな。 」
「謙也くん盛りすぎ。」
「盛ってへんって!だって白石ジジイみたいに精神年齢高いんやもん!」
「白石はジジイじゃないの。大人なの。
さっきも言ったように謙也くんと比べちゃ駄目だってば。
だって謙也くん子供だもん。」
「何やてぇ!?」
謙也くんが授業中にも関わらず私に対して怒鳴るものだから、クラスの皆が一斉にこっちを向いた。
そりゃもう、驚くぐらい一斉に。
「謙也と名前ちゃんって仲ええなぁ」
「ホンマになぁ。」
それから、皆が微笑ましいと言ったような瞳で私たちを見つめる。
ちょっと止めなさいよ。白石に勘違いされちゃうでしょ。
***
「さっき謙也と何話してたん」
「あ、白石。」
授業が終わると、白石は急いで私の席に来た。
そんなに急がなくても逃げないってば。
「白石は精神年齢が高いよねって。」
「……そか」
「うん。男の人って女の人より精神年齢が低いんだって。
謙也くんが言ってたよ。白石はスゴいね。」
「……ふーん?」
「なによ。その顔。」
柄にも無く頬を口を尖らせて私から視線を逸らす白石に、少しムッときた。
なので、無理矢理両頬を手で覆ってこっちを向かせる。
「俺は別に精神年齢高い訳ちゃうし。」
機嫌の悪そうな彼なのに、不覚にもドキドキした。
だって、拗ねた様な表情をしながら至近距離で私を見つめるんだもん。
「謙也と楽しそうに話してるから何事やと思った。」
「…」
「ヤキモチ、妬いた。」
どうやら、男の人が女の人より精神年齢が低いという話は本当らしいです。
独占欲が強い白石にさえもキュンと来る私もね、精神年齢低いんだよ。
きっと、単純なんだよ。誰よりも。
(貴方でいっぱいの心)
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