ひより 2013-02-13 22:04:04 |
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なんで、こんなにももやもやするの。
財前が普通に女の子と話してるだけで。
だってだってだって、 珍しいんだもん。
私だけじゃないんだなって思ったら…
寂しかった。
「…財前、」
ふと財前を仰ぐと、財前はカメラに向かってピースをしていた。
私も財前に倣ってピースをするけれど、どうも先程からの右手の違和感が気になる。
「…!」
右手を見てみると、財前の左手が私の右手を包み込んでいた。
成る程、暖かかったのはこれでか。
お互いのセーターが邪魔で財前の体温がちょっとしか伝わらないじゃん、なんて考えていると、ふいにシャッターの音が教室に響いた。
再び財前を仰ぐと、優しく微笑んで私を見下ろしていた。
ああ、成る程。 私は、財前が好きなのだ。
(恋に落ちる音がした)
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