ひより 2013-02-13 22:04:04 |
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何度も何度も伸ばした腕は空ぶった。
そんな高いところにいる君は、
誰よりも美しい人でした。
僕は、頼りない弟みたいなもので、
君は、頼りになる姉みたいなもの。
けど、君はもう僕に振り向かない。
あの時みたいに
≪光≫
優しく包み込んでほしい。雨の降る午後。
大粒の涙が彼女の頬をつたった。
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「光~!」
君の笑顔は太陽に照らされる向日葵みたい。 昔、思ったことや。 テテテッと俺に駆け寄る#name#。
#name#は俺の幼馴染や。
中3で1つ上。
「ほらっ光!おばさんが、お弁当って!」
「おおきに。忘れとったわ。」
「もうっ!ちゃんとしなさいね!」
「姉貴かいな」
「あら?義理の姉になろうかしら?」
「やめてぇな。うっさい姉貴はごめんや」
「なっ失礼な!」
これが、日常会話。
楽しくて、誰にも邪魔されない俺だけの特権 。 けど、
「おっ!#name#と光やん。何や、また漫才し とんのか。」
ケラケラ笑いながら俺と#name#に近づく謙也 さん。
「謙也!うっうん!そう!///」
恥ずかしそうに笑いながら謙也さんを見る#name#。 #name#は謙也さんが好きや。 それで、謙也さんも#name#が好き。 所謂、両思いってことや。 そんで、俺も#name#が好き。
「イチャコラしてないで、はよクラス戻りぃ や。」
シッシと、手を振ると#name#と謙也さんは顔 を真っ赤にした。
こんな素直じゃない自分に嫌になる。
「もっもう!///謙也、いこ!///」
「おっおん!////」
謙也さんと腕を組み、教室に帰ろうとする#name#は俺の方をみて、 「ありがとう。」 と口パクで俺に言った。
曖昧に頷いた。
*******
1週間後―
「ひっ光!あのね、謙也から告白OKしてもら ったの!」
「は?」
真っ赤な顔して俺の教室に乗り込んできた#name#は唐突にそう言った。
「だぁかぁらぁ!私と謙也は正式カップルに なりましたぁ!」
イェーイ!と舞い上がる#name#。
「さよか、おめでとさん。」
曖昧に笑顔を浮かべた。 今の俺は上手く笑えてるだろうか?それから、#name#は教室にこなくなった。
「はぁアイツ、ぞっこんやろ。」
#name#はきっと一人の男につくすタイプだな 。と一人思う。
影で君が泣いてることなんて愚かな僕は知ら ない。
*****
CDショップで、お気に入りの歌い手のCDを買 って帰ろうと駅前にきていたことだった。今日は大雨洪水警告があったな。と思い空を見上げる。
予想は的中、雨がザーザーふっていた。
「は?」
デートに行ってたはずの#name#が駅前でしゃがんでいた。 腕に顔をうずめ、死んでるかのように動かな い。
「#name#?」
声をかけると、目に涙をため虚ろな目で俺を 見上げる#name#。
「どないしたん?謙也さんは?」
そう聞くと、
「光。私、謙也に振られたのかな?」
そう寂しげに笑う#name#。
けど、俺には慰める権利なんて無い。
君を見守ることしか出来ない。
「見損なったわ。 #name#は、もっと強気だったとおもっとたん に。 こんくらいで、情けないわ。」
「ひ、か」
「そんなん#name#やない。
さっさと行けや。
今の#name#は目ざわりやわ。」
「っ!」
「はよいけや!」
そう怒鳴ると大粒の涙を流しながら#name#は 、去っていった。
「すまん、#name#。
好きや。大好きやで。
俺は、お前を見守ることしか出来ないんや。 」
俺は、瞼を閉じた。
溢れ出る涙など知らないふりをして。
だから、 たとえ、君を助けられなくても 僕は、君を見守るキューピットになりたい
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