小説書くのが好きな人&小説書いてみたい人集合!!

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pelidot 2013-05-18 16:53:19
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将来小説家を目指しているpelidotです♪
他にも小説を書くのが好きな人、書いてみたい人は一緒に書いてみようよ♪
書きたい人は、一旦ここに書き込みしてから、夜の8時にまたもう一回接続してね♪

  • No.87 by pelidot  2013-08-04 09:39:44

暗闇革命 01 ―偽りの明日―

OPENING 暗殺者(アサシン)

――――下らない。
紅崎麗乃(あかいざき・れの)は、澄んだ夜空に向かって、そう吐き捨てた。
自分の体面のためだけに、子供を有名塾に通わせる父親。自身の宣伝のためだけに、生徒を有名校に進学させようとする塾。そして、それに反抗しようともせず、ただ従うだけの自分――――。
そんなもの全て、この世から消えてしまえばいいのに。
そんな麗乃の心情にはお構いなしに、新幕張新都心の夜にしては珍しく、北斗七星がはっきりと光っていた。
溜め息をつき、鞄を引っかけて再び歩き出す麗乃。
――――その時。
視界の端を、白いコートが横切った。
ただの別人なら、それで終わっただろう。しかし、この時代にそのコートを着る人物は麗乃が知る限り1人しかいない。
白地に所々黒い線が入り、左腕に昔ながらのエンブレムが縫い付けられたそれは、見間違えようもない。――そう、人類史上最悪の戦争、五月革命(サルチェ ラタン)戦争の時にだけ設立された超能力者(エスパー)隊空兵軍の制服だ。
麗乃は、軽く走ると、まだ前に彼がいることを確認して立ち止まった。
伊集院薙沙(いじゅういん・なぎさ)――――麗乃の通う、新幕張中央大学付属高等学校の生徒会長。麗乃は覚えているが、半年程前の新生徒会役員選挙の時、彼は演説内容や活動方針と言った方向ではなく、そのルックスで殆どの票を獲得していた。実際彼に票を入れた生徒の9割は女子だったと聞いている。……尤も、麗乃が入れたのは、別の人間だが。
彼は、一旦立ち止まって辺りを見回すと、再び歩き出した。
――――麗乃の喉が、ごくりと鳴る。
今彼が向かった先にあるのは、廃墟―旧幕張新都心なのだ。


2063年の海浜幕張は、主に4つの地域に分割される。
まず1つ目が、幕張区庁――幕張は、2年前に区と制定された――がある幕張中央。主にここは、行政区とも呼ばれる。
そして、新幕張。有名なIT企業などのオフィスが入居する超高層ビルがいくつも我が物顔で林立するここは、商業区と呼ばれる。
――それから、渋谷幕張。大企業がぶっ建てたニュータウン・ビルやら有料公園やらが並ぶここは居住区と呼ばれ、以上の3つが新幕張新都心となる。
そして最後――――旧幕張新都心。
13年前に襲来したアメリカの爆撃のせいで、砕けたコンクリートや窓ガラスが散乱し、見るも無残な廃墟となっている。そこに、2010年代の全盛期の面影はない。


彼は、その旧幕張新都心に、何の躊躇いもなく踏み込んだ。
戦車や飛行機の残骸で埋め尽くされた中を、苦もなく進んで行く。
麗乃は、慌てて後を追った。
突き出した鉄パイプが引っ掛かり、スカートが僅かに破れた。
胸裏で、いつものスカートじゃなくて良かった、と呟く麗乃。
照明もなく真っ暗な中を、彼は、迷いもせずに進んで行く。
――――突然、彼がぴたりと立ち止まった。
一緒に麗乃も立ち止まり、廃ビルの陰に身を潜める。
次の瞬間。
旧幕張新都心を、ぎいぃぃぃぃッ!!と言う、不快な音がつん裂いた。
彼が、大きく後方に飛び退いた。
半秒程後。
シュッ、と小さな音が耳をこすり。
真っ赤な光線が、麗乃の視界を分断した。
次の瞬間――――。
スゴォォン!!
耳をふさぎたくなるような轟音が響き渡った。
ビルとビルの隙間から、顔をのぞかせる麗乃。
そして――目を疑った。
彼がもといた場所のアスファルトが、真っ直ぐに裂けている。
「――何……」
麗乃は、息を呑んだ。
聞いたことがない。あんな、一撃で地面を抉ってしまう程強烈な光線(レーザー)など。
次いで。
再度、今度は立て続けに3回、あの轟音が響いた。
麗乃の目の前で、光線の中の1本が、彼の肩を浅く抉った。
「くっ……」
その喉の奥から、絞り出すような呻き声が漏れる。
彼は、暫く肩を押さえて荒い息を吐いていたが――――
「……っの野郎……」
毒づくように吐き捨てると、さっきは有ることに気付かなかった何かを背中から外した。
その何かを見てみようと、必死に目を凝らす。
L字型に折れ曲がった本体。長い方の先にある穴。外側に取り付けられた、やや短い丸い棒。そして、威圧感のある黒鉄色――――
銃だ。
あれは、機関銃(ライフル)なのだ。
その解答に行き当たり、麗乃は、背筋がぞっとした。
人を殺すためだけに、造られた道具。引き金を引くだけで他人の命を一瞬で消す、最凶の武器。
しかし――何故?
13年前の五月革命(サルチェラタン)戦争の終結と同時に、全ての機関銃は、法律で所持を一斉に禁じられたはずだ。それを、生徒会長とは言え、何故一高校生の彼に――――?
そう麗乃が自問自答していると、彼は、地面を蹴って一気に駆け出した。
「――――殺すっ……!!」
彼の口から、簡潔な、そして最も残酷な一言が放たれた。
その体が、崩れたビルの欠片などを渡って、軽々と屋上まで登って行く。麗乃は、それを目で追うだけで精一杯だ。
そして、ある廃ビルの屋上に到達すると、彼は辺りを見回した。
彼の姿が小さくなり、闇に紛れる。
麗乃は、耳につけたセンソリー・エリア・リタッチ・コンティナー――――通称SRCの電源を入れた。
視界の右上に、今日の予定と今の時刻、温度や湿度に天気と言った現実情報アイコン(RDI)が表示される。
それらを視界から消し、麗乃は、「追跡」アプリを立ち上げた。
追跡相手を選択して下さい、と言うメッセージが表示されるより早く、数少ないアイコンの中から《学校》を、その中から《3-A》を、そして《伊集院薙沙(生徒会長)》を選択する。
追跡はSRCに最初からインストールされているアプリだが、使えば相手のSRCにも通信履歴が残ってしまう。まぁその時はRNI経由で侵入して履歴消すか、などと少々危ないことを考えていると――――。
突然、麗乃の視界一杯に、あるビルの屋上の光景が映し出された。
大振りな機関銃を担いだ彼が、一切の感情を削ぎ落とした瞳で、空一点を見据えている。その視線の先には、もう使われていないであろう給水タンク。
「――――そこに、いるんだろ?」
彼が、くいと顎を上げて言った。
その声もやはり冷然としていたが、その一言からは、抑え難い1つの感情が滲み出ていた。
「手前ェ……よくも……あいつを……ッ!!」
今度は、感情を抑えるどころか、歯をギリッと鳴らして大仰に機関銃を構えた。
――――もう、聞きたくない。
刹那麗乃は、目をつぶって耳を塞ぎたいと言う衝動に襲われた。
彼の圧倒的な怒り、憤激が、どす黒い何かとなって麗乃を呑み込んでしまうのではないかとさえ思った。
「………れで」
その声が、怒りのせいか僅かに掠れた。

直後。

「これで……終わりだあぁぁッ!!」
地を裂く程の咆哮と共にトリガーが引かれ、銃口が回転し――半秒遅れて、ズガガガ!!と言う射撃音が、旧幕張新都心全体に轟いた。
標的から外れた銃弾が、屋上のコンクリート床に食い込み、深い穴を穿つ。強化プラスチックカーボンの給水タンクが、次々に破壊・粉砕されていく。
そして――――。
タンクの裏から、長身痩躯の人影が現れた。
顔は見えない。その手には、小振りのピストルが握られている。銃弾を装填するところが見当たらない。多分、レーザーガンだろう。――そうすれば、さっきの赤い光線も半分は説明がつく。
人影が、両手でレーザーガンを構えた。
彼も、半ば腰を落とし、機関銃の引き金に指を当てる。
僅かに――――その肩が震えた。
「死ね――――――――――――ッ!!」
血を吐くような絶叫。麗乃は瞬間、その戦闘が遠くで行われているものだと言うことを忘れた。
ハンマーが、撃針を叩く。銃弾が、超絶的な速度で吐き出される。
そして――――半秒遅れて、レーザーガンから赤い光線が迸った。
彼は、機関銃を連射しながら、ステップでそれを躱して見せた。
レーザーガン使いの顔に、僅かだが、動揺が走った――ような気がした。
銃撃の音が、ぴたりとやんだ。
タマ切れかな、と思いながら、麗乃が姿勢を変えようとしたとき――――。
かん、と言う、不思議な圧倒力をもった音が、辺りに響いた。
再び、画面に目を戻す麗乃。
静かでよく響く、圧倒的な存在感のあるその音は――――。
彼が、一歩、ゆっくりと前に出た。
かん、と言う音。
彼の金属靴が床に当たり、再びかん、と言う音が響く。
棒立ちになるレーザーガン使いの近くまで接近すると、彼は。
一切の表情を見せずに、がしゃり、と機関銃を持ち上げた。
「……消えろ」
トリガーが引かれる。ハンマーが、撃針を叩く。
ちかっ、と一瞬だけマズルファイアが閃いた。

レーザーガン使いの肩を、無慈悲な鉄の塊が切り裂いた。

その体が仰け反る。噴き出した血が、床を赤黒く染める。
彼は、その様子を暫く眺めていたが、やがて背中のホルダーに機関銃を収めた。
唇の端が、微かにきゅっと持ち上がる。
「……ふ、く」
その口から、抑えられた、奇妙な声が漏れた。
もう、彼は、我慢しなかった。
形よい唇が、小刻みに震え――――
直後、トーンの外れた、狂ったような甲高い哄笑が、旧幕張新都心一帯に響き渡った。

…グロいですね。一応続きます
どうですか?

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