桃城と海堂の場所

俺が全部悪かった。
お前をあんなに傷つけたのに
心配なんてしてもらえると思わなかった。
嬉しかった。
だから自分が醜かった。

あの時…お前を選んだのは
桃城だったことはあったかもしれない…
でも俺は
あんな状況で、下手したら自分が傷つくかもしれないのに手を差し伸べてくれた
その気持ちが嬉しかったから
お前についていきたいって思った
心が綺麗で
なんて優しいんだろうって思った。
それなのに

本当に俺ってなってないよな…。
嫌われて当然だと思う。
お前はいつも陽だまりのようなのに
俺はいつも日陰に居て。

約束の日
どうして来てくれないのか分からなかった
何日も待ったけれどお前は来なかった。
よぎったんだ
最初の桃城に捨てられた時のことを。
怖かった。
また1人にされるのだと。
あの時の恐怖に勝てなかった。
本当に悪かった。
俺は違う人を探した。
嫌悪感を持たれて当然だ。

だけど心の中ではお前以上には誰も愛せなかった。
お前の言うとおり言葉だけの世界だし
リアルで幸せになったんだと思えばそれきりだった。
お前に病気で死ぬかもしれないと言われた時に
また大切な人を毎日から奪われるんだって
お前が心配で仕方なかった。
毎日泣いてうつ病になって自殺図って入院した。
リアルじゃないのにバカじゃないかと思うだろうな。
隔離されて閉ざされた部屋で泣いてた。

やっと携帯が許可された時、
お前のあの気持ちを読んだ。

涙は出なかった。

でもお前の幸せを考えたら
一緒になんて居られないんだよな

俺…最初に付き合った桃城に
リアルで幸せになったから捨てられたって
さっさと気づけば良かったんだよな
本当に馬鹿だったと思う。
約束の場所で
10年待ち続けて
憔悴してた時に、セイチャットの方に桃城が居た。
最初は付き合うつもりもなく
懐かしい面影に近寄ったんだ。
他愛のない会話でもあいつに惹かれてた。
だけど俺が裏切った。
最初の桃についていこうとしたから。
そして最初の桃に捨てられた事が分かった。
泣き叫んで無茶苦茶になった時
お前の知っての通り
乾先輩が来てくれた。
でも裏切られる恐怖から抜け出せなかった。
乾先輩は優しくしてくれたのに。
俺はあろうことか先輩を傷つけて…
よく考えたら俺は随分前に死んでたんだ。
本当に愛した人に捨てられた
その時点で。
そこへお前が来てくれた。
助けに来てくれた。

今は
一番愛したのはお前だって言い切れる。
これだけ忘れないで欲しい。

本当に馬鹿でごめんな…。
涙が止まらなくて。
大切だからこそ言っておきたかった。

元気でな…。