名無しさん 2022-07-15 21:47:42 |
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スンは心配して、依頼のかみを渡したちいさなポケモンの顔をのぞきこんだ。するとどうだろう。
そのちいさなポケモンは絶望の顔をしながらスンのほうをむいてきた。
「ねぇ、わかってる?呪いの靉靆なんていったら最後なんだ。残念だけどこの依頼は断らせてもらってもいいかな」
小さなポケモンははじめの嬉しそうな顔とは裏腹に、泣くのをこらえるかのような笑顔へと変わっていた。
「僕はめっちゃつよいから負けることはないんだけどそれでもいまこのギルドにいるメンバーはぼく、チラーミィのラミィとそこにたおれてるアブソルのブロールだけだから2Fもいけないかもしれない…」
段々とラミィの顔は靉靆へとかわっていく。
と、そんな顔をしないでくれといわんばかりにスンが突然ラミィのそばから遠のけると、
「そしたら私がいきます。5Fまでいければいいので」
と、ふきとんだアブソルのブロールまでしっかり聞こえる声でラミィに伝えた。だが、ラミィは一般人をダンジョンにつれていくことはできないため、なんどもそれを拒んだ。「あなたも危ないんです」「ぼくらでもいけないところを…」と、なんどもいおうとスンはくじけることなくついていかせるよう話を勧めた。ラミィもさすがに疲れたようで、しかたなく行くことを許可した。
「となれば、さっそくいくか!!」元気に変わったラミィの声が周りの木の葉と重なり合う。
「おう!」のびていたブロールも、この何分かでもう元気だ。
「はい!」スンも元気よく返事をする。
なんだか、昔のことを思い出すや…
スンの頭の中にはつきささるような香りのベールがすんのまわりにふたたびただよいはじめた。
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