【小説】きつねどもの戦い

【小説】きつねどもの戦い

シンプルなきつね 2023-06-20 18:41:30
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初代小説の改良版でございます
かなり長めです

  • No.91 by サンプルなきつね  2025-09-07 19:57:33

 《【第二話】》
[きつねどもの宇宙醜争前夜]

時は少し遡り…

「はあ…?きつね軍基地???」
コプは急なお誘いにほとほと困惑していた。
「いきなりのことで悪いんだけどさ、なあ頼むよ」
受話器越しに説得を試みるのは友狐のタルだ。
いや、だったというべきか。私のお出掛け前に電話を掛けてきて開口一番に「きつね軍基地へ行こう!」などとほざきやがったこのクソ狐は。
正直悪い冗談を疑ったが、タルの声は真剣で、とても冗談には聞こえなかった。
ひとまず話を聞いてみる。
「実はここだけの話、駅前のきつね軍基地あるやろ?そこの地下にな、宇宙人のでけえ地下研究所があるらしいんよ!どや!わくわくするやろ?」
どんな大層な事情があるかと思いきや、なんて眉唾な都市伝説に付き合わせようとしているんだこの狐は。
さすがに付き合いきれない、なんとか断るための口実をひねり出す。
「悪いけど今夜はきつね集会の会議に行かないといけないんだ。」
もちろんそんな集会ない、だがもう友達としての縁は電話を掛けてきたその時に消えていった。だからばれようと関係ないよな。
(悪いがそんなのに付き合ってる場合じゃないんだ。)
コプには先週から楽しみにしていることがあった。
パソコンの画面に張り付いてはなんとか席に空きがないか探り、ようやく手に入れた新作映画の上映だ。
この日のためにわざわざなけなしの金を捻出し映画館へ向かおうとしていたのに、タルの野郎……
「本当に行けないの?」
タルの野郎しつけえ…はよ諦めろよ…ッチ
「そうだ本当に行けない」
「本当の本当に?」
(行けないっつってるだろ、わかれよ)
「ほら、もう行かないといけない時間だから、じゃあな」
手に持っていた栄華のチケットを握りしめながら電話を切ろうとしたその時
「この手は使いたくなかったんだけどな…」
ガチャン

(さて、うるさいタルの野郎も消えたし!映画館へ行くぞ~!!)
タルのせいで中断していた荷物の用意を進める。財布に切手にベイクドモチョチョ、ありったけの夢とあれやこれやをバッグに詰めていざ出発!と軽快な足取りで玄関に向かった。
(ん、いくらなんでもこんなに軽かったか?)
足取りに違和感を感じる。まるで下降中のエレベーターの中にいるかのような変な浮遊感。
しかしそれを気にせずそのまま玄関から外に出ようとした。そのとき
目の前に広がった光景にコプは目を疑った。
(空が動いて…いや違う、家が動いてる!!)
木々が揺れ、小物が浮き上がり、なんと、家が地上から離れ、どんどん天空に向かっていたのだ!!
コプは思わず引っ込んで玄関に戻り深呼吸をする。そのあとすぐに顔をだし辺りを見回す。その目が空に焦点を当てたとき、さらに驚きの光景が目に浮かんだ。
(あれは、どうみてもUFOの円盤じゃねえか!!)

UFOに連れ去られたコプ。果たしてコプの運命やいかに!?

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