櫻ヶ谷 2012-04-30 10:04:13 |
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だけど、現実は甘くはない。
傷ついても、快感に身を委ね、
また傷ついて、また快感で
誤魔化される。
疲れたよ……。
それでも今日も、
貴方に身を委ねる。
花に宿るは、甘い蜜。
その裏に宿るは、
禁断の、痛みの象徴。
『トゲ』
今から、そっちに行くね。
包丁を持つ。
そして………。
甘く揺れる蜜と果実。
全ての終わりを告げた時、
欲望は途切れ、
花は閉じた。
さよなら、愛した人。
もう、花は貴方を求めない。
すべて……、壊してあげる。
end
私はあなたに嫌われたよね
薄情なヤツだって
最低だって
思われても仕方ないよ
だからせめて
あなたはあなたの
縛られることのない世界で
素敵な人を見つけて
幸せになってね
前編
ねえ、君は俺のこと、好き?
俺は君が好きだ。
世界中の誰よりも好きで好きで。
どうして離れたの?
どこに居るの?
#name1#
好きだなんて
もう言えないよ。
#name1#以外言う人居ないよ?
好きだ。好きだ。
大好きだ。
俺はまだ幼い。
こんなにもちっぽけな存在
だから
待ってとは言えなかった。
神の子にも変えられない運命がある。
もし、君との別れを知っていたなら
君との時間を無駄にはしなかったのに。
一分一秒でも
無駄にはしなかったのに。
愛なんて
知らない俺が
君に恋をした・・・。
最後まで素直になれなかった。
寂しくなんかないよ。
そう言い放って。
<好きだよ、誰よりも。>
「精市?元気無いね。」
「今度、手術があって。不安で。」
隣の病室の#name1#は同い年。
故にすぐ打ち解けて。
俺は
君に恋をした。
「そう。頑張ってね。」
少し機嫌が悪そうに呟いた。
「どうかした?」
「私って、死んでしまうのよね?
精市みたいに手術で治るものじゃないわ。
悲しくなんかないよ。
だって、運命だもの。
運命を否定したら精市と出会えたことも否定することになるからね。」
#name1#は俺と似たような病気。
現に車椅子生活。
「でも、私、生きたい。精市ともっともっと一緒に居たいよ!
精市は・・・私が居なくなったら寂しい?」
どう言えば良いんだろう?
元気出して。
かな?
うーん…。
何か、手術で不安になる俺が恥ずかしいや。こんなにも愛しい人が病に苦しんでるんだから。
「寂しくなんかないよ。
そうだ。約束しよう?
君は頑張って病と闘う。
最後まで前向きにさ。
今みたいに後ろ向きになるのは駄目。
俺は頑張って全国大会に言ってくる。
優勝旗を君に渡すよ」
そう言って優しく出した小指。
おずおずと#name1#も小指をだした。
恥ずかしそうに
照れたように小指同士を絡めた。
本当は寂しいよ。
ずっとずっと側に居たいよ。
どこにも行かないで。
ぎゅっと抱きしめても良いかな。
それは全国大会が終わってからにしよう。
優勝すれば、
喜んでくれるかな。
そんなことをひたすら
考えていた。
今夜、君が俺から離れていくとも知らずに
好きだよ。精市。
あれ?夢?
にしてはリアル。
夜中、気が付けば廊下はナースだらけ。
まさか。
「#name1#?」
周りをキョロキョロしても#name1#の姿は無い。
「幸村くん?」
「#name1#はっ!?無事なんですか!?」
涙目の看護士さんに声を荒げた。
分かってるよ。
本当は分かってるんだ。
でも、最後の悪足掻き。
君はもう居ないんだろう?
好きだよ。
最後まで素直になれなくてごめんね?
一緒に居てやれなくてごめんね?
俺も一緒に居たかったなあ。
好きだよ。
大好きだよ。
「#name1#、おやすみ。疲れただろう?お疲れ様。」
そう言って#name1#の熱も色も無い手を握り締めた。
涙が流れ出した。
#name1#、どうして?
行かないで。
精市って呼んで
笑って
泣いて
もう出来ないの?
好きだ。
好きだ!
「#name1#?起きて?」
「幸村くん?これ、#name1#ちゃんが大事そうに持ってたの。」
そう言って差し出された一枚の手紙。
開けると、また、涙が止まらなかった。
ぼんやりと歪む視界には#name1#の文字が入ってきた。
[ねえ、精市。精市はさ、私が居なくなったら寂しい?って聞いたら寂しくないって言ったよね?私はね、凄く寂しい。
もっともっと精市と一緒に居たかったなあ。
私ね、精市が好きよ。
大好きだよ。
ねえ、最後だもん。
良いよね。
世界中の誰よりも好きだよ。
精市は恋してる?
いい人見つけてね。
絶対幸せになってね。
大好きだよ。
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