6番目アリス 2012-09-29 22:24:57 |
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運命はいつも 私の手のひらで宙返り
握りしめた刹那 誰一人と残らない
問いかけた歌は 一瞬で朽ち聞こえなくなる
紅い月の音が 窓から私を照らす
寒い牢屋に 投げ捨てられて
怯える少女に 血の気など残らず
狂気に纏われて 綺麗に生えた羽根
私を振り捨てた あの冷たい手は私が千切り
噛みついたナイフは 音たてず壊れたの
揺りかごのように 甘い夢など見たことなどなく
時計の針が チクタクと鳴り響くだけ
壊れた人形は また降り積もってゆく
『ねえ、あなたは壊れないにんげん?』
『あなたは 私を 楽しませてくれる?』
狂喜に満たされた 笑い声は暫く止まず
朽ちてしまった人形を見て
ようやく 静まるの
紅く染まる床に こぼれ落ちるナイフの欠片
運命はいつも 私を揺らしてゆく
『…あ~あ また 壊れちゃった ね 』
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