6番目アリス 2012-09-29 22:24:57 |
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流れる雲を数えてさ
代わり映えしないしない毎日を目にうつして
交わる交差点に飛び込んだ
少女から目がはなせなかった
携帯から聞こえる電子音に耳を傾ける
『異常はナシ』
やけに耳障りな車の音に耳を傾けてみた
別にいつも通りなのにさ
なんか 嫌な予感が募ってきて
ふと 振り向いて視線を傾けた
最初に目についたのは赤い歩道の信号機
『ドウシヨウ』異常発生
少女は猫を追いかけ飛びだした
思わず手を伸ばして 届かなくて 遅くて
やけに 生臭い血のにおいに
嫌な気持ちは 起こらなかったような気がした
番号を打つ指先が震える
早く早く 急がないと
ふと見上げた先にある物語は
それはそれは 酷いものでした
こびりついた赤い歩道信号機
平凡な空はどこに行ったんだろうか
少し 曇り始めて
握りしめた 小さく震える携帯の画面が曇る
『世界は忙しいな』
思い出してみた
きっとキミはまだ あの空に縛られてるんだと 少女は笑う
なんか悔しいから 電話をかけることもなく
ポケットに 無理矢理押し込んだ
後悔してから何年間?
きっと 10年はたっただろう
ある晴れた空の画面を見るたび
後悔が交差してまわる
後悔しても遅いから
少し走り出してみた
ああ大変だ 信号が赤になる
チカチカと点滅をして 約2秒前後
まだ間に合うと 足を踏み入れた
よく晴れた 12時半くらいのことでした
横からトラックが ぶち当たる
思わず手を伸ばして 遅くて 苦しくて
やけに飛び散った赤い血の痕は
あの日をぐるぐると思い出させてさ
ふと見上げた先に見えたのは
まだ幼い顔をした少女
猛然とした意識のなか 見えたのは
流れてゆく雲のかたまり
血潮にまみれた この手の隙間から
にっこりと笑ってみせた
ふと見上げた少女の口元は
笑ってるような気がした
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