小説、詞など No.6

ビルが建ち並ぶこの世界に
夢やモラル・幻想は感じられません
羽ばたく小鳥さえも 辺りは白黒にしか見えません
そんなつまらない 景色のなか
チカチカ光る 赤*黄*青の幻想
それはそれは 綺麗なワケで。
白い線が無数に描かれたコンクリートのど真ん中で
立ち止まり微笑んでみた。
青がうつりかわる チカチカ点滅しながら
飛び込んできたのは 真っ赤に変わった信号機
世界が逆さまに変わる瞬間を 確かにこの目で視たんだ
赤く彩られる 白黒逆さま世界に見惚れる僕は 《異常》デスカ？
きっと 僕以外の全人類は気づかない
《異常》なのは 僕以外の人間なんだと
霞む視界に見えた幻覚 ちょっと待って
《世界は赤く飛んだ》気がした

もっともっと 飛んで
太りすぎた世界を追い越して
黒いだけのこの宇宙(そら)に
夢やモラル ・幻想は見てとれません
さあ探せ 僕が視た夢はどこにある？
ようやく見つけたのは 色とりどりの世界に囲まれた
灰色の僕と 泣いている君

《嗚呼 世界は嘘ツキだ》

ハリボテの栞に挟まれた 本のように
僕は狭く苦しい 独りよがりの愛に挟まれていたんだ
きっと これからも 苦しむばかり
《異常》な世界(ココロ)に植え付けられた 間違いは
僕が撒いたのか
それとも 君なのか*****?