小説、詞など No.6

少年は、ただ遊びたかったんだって


表裏がないなんて 嘘になる
笑顔か涙か 嘘かほんとか
自分では わからない心の底
そもそも 心なんてあるの？
欲がないのは 嘘になる
自分に酔ったピエロのショー

積み木が ナイフになっただけ
風船が 頭になっただけ
僕だけの ピエロのショー
笑顔が絶えることはありません
絡み合った糸が 切れただけ
悪いのは 世界だけ
鬼ごっこもカクレンボも所詮お遊び
手がちみどろになるまでは
僕だけがわかる 君にはわからない
おかあさんもおとうさんも消えたんだ
僕の目の前で 死んだんだ
僕だけ 死ななかった
化け物みたいな天使が嘲笑う
『臨時放送さえみれば 答は浮かぶ』

狂いきれない化け物は
衝動をいつしか 自らに向ける
それはある日聞いたおとぎ話
もう、狂いすぎた僕には関係ない
いつもどうり賑わうテレビで聞いた忠告
『今日は死人が出ますよ』と
嘘つきジョーカーは嘲笑う
"そんなの 嘘だ"って
路地裏で死んだ鳥を見つけた
ゴミ捨て場で 猫を見つけた

じゃあ 僕はどこ？

ああ、あの線路の向こうが 正解か
そう言って 少年は


モノクロの世界に 赤を描いた