小説、詞など No.6

──『嘘つき』『裏切り者』と矢追刃追君は言う。
こんなにも、僕は笑っているのにね
それじゃあ今日の真理予報を唱えましょう

7月24日、どこかの少女は 裏切り者を殺すでしょう


誰でも被る 秘密の仮面
好きなひと、友達、先生 みんなみんな
誰でも知らない 誰にも教えない
そんな笑顔が ひそひそ泣くのです
ぐるぐるぐるぐる 螺旋階段みたいに
廻る視界 錆び付いた心の鍵が
『死ねよ、死ねよ』って チクタク針をならす
笑顔が嫌い にやける貴方が嫌い
どうして？誰なの 誰なの 答えてよ
不気味な嘘はいいから 本音を教えてよ
ねえ 刃物が怖くないの 仮面が怖くないの
わたしは とても 恐いの

悲劇は繰り返さないのが鉄則
無表情は 愛のシルエット
苦しい言い訳も 全て許すから
笑わないでよ 嘘くさい
『嘘つき』って笑ってやるうちに
君はどこかへ旅立った
気づいたのは 赤く光る携帯
不在着信がまた増える

ああ、手遅れだったね

これは 私だけの内緒 秘密
安楽上天ガール 誕生日
わたしだけの 物語よ
誰かが覗くまで 続けるの
ほら 君は偽者 私も偽者
ダーツが皮肉に告げる 『なら 勝者はだれ？』

あれ？


これは わたしだけの物語
だれにも邪魔はさせないの
暗闇に浮かぶテレビは告げる
『やりすぎに注意報』
偽者偽者 だぁれなの？
ねえ これはわたしだけの物語
狂ってもないし 正気でもない アンコール
これは ひとつの物語
あはははって笑ってさ
暗闇に溶けた はちみつみたいに
夕焼けに飛び込もうか