6番目アリス 2012-09-29 22:24:57 |
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逃げろ、逃げろ
後ろは振り返らないで
逃げろ、逃げろ
手を掴まれた
逃げて、逃げて
そうして 足音は途絶えた
──ハァ、ハァッ!
荒い息は途絶えることを知らず、ガタガタと
震える身体と比例している。
必死に口元と震える身体を押さえ、暗く狭い
空間のなか、"奴"に気づかれないように息を潜めた。
カチャッと、扉が開く音がする。
──来た・・・・!!
早く、早くでていってよ・・・・!!
ふいに、奴の足音がやんだ。
どうやら、私が隠れている押入れの前で立ち止まっているようだ。
音をたてないように、大きな物の後ろに隠れる。
足音がしたので少し安心していると、ふいに ガラッと
押入れのふすまが開いた
そこで、意識は途絶えた
────第一話 《鬼遊戯(おにごっこ)》
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