小説、詞など No.6

夜に咲いた 夢花びらに
枚散る子守唄 は 儚く散りゆく
満月の中 白いうさぎは
今日も君を想う……。

いつも 独りきりの 私 に
あたたかい 夢を くれた 君
言葉 愛 夢 知らないことだらけ の 私 に
たくさん 教えてくれた 君
桜枚散る 木の下で
春風を 握りしめた
太陽に手を翳しても
君の 微笑みの 光は 見えない

君は いつしか いなくなって
また 孤独な うさぎは 夢見る
月を彩る 飴色の真珠が
私を また 苦痛に見舞わせる
『さよなら』も言わず 黙って消えた君
ねえ もう一度だけでい い か ら
もう一度だけ 傍にいさせてください

月の光を 手に翳しても
君の 涙の雫光は見えない
どれだけ 君を想っても
君は もう 傍にいなくて
夢見た世界には うさぎが独り
また また また
消えいく 夢の中の 君を 抱き締めた

繰り返した 言葉の雫に
光り輝く 月が また私を見つめる
もう一度だけ
もう一度だけでいいから
私と 一緒に
月を 眺めていたいよ……。