小説、詞など No.6

上塗りされた 真っ赤な果実
手のひらで転がして
ギュッと握ったら、
血のように紅くて甘い汁が滴って
酷く妖艶で 美しくて
でも…すぐに壊れた…


空に浮かぶ 真ん丸のお月さま
妖しく光る 窓の外で
揺りかごのように 手を揺らしながら翳して
あなたを思うの
赤く甘い果実を かじって
見つけられるのを待つの…
セカイで誰よりも
悪戯好きなのは ボクだけ
深く握り潰して 赤く染め上げて
翳すだけで崩れゆく
硝子のように脆いセカイを
手で握り潰して 深く笑うの…。

『ごめんなさい』
ごめんなさい コレが
最後の愛しかただったから
狂気導く 魂が
スルリと 抜け落ちた…
鉄骨で造られた 十字架(ｸﾛｽ)の真ん中に縛られて
またまた 眠るの
見つけられるのを 待って……

『ボクと あ～そぼ？』