書き込んだ奴を主人公に短編を書く

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Ghost Finder ThomasCarnacki  2022-09-10 22:23:08
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W.H.ホジスンを目指して

  • No.36 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-13 18:53:43

何故かハゲコの人生が走馬灯のように駆け廻る。取り立てて悲壮で辛い過去ではなく、むしろ有り触れた平凡な人生だ。理不尽に殴られたこともない。それなのにこの椅子で考えているとすべてが憎く思えてしまうのだ。

黒のスニーカーの先で床に転がっている小石を蹴った。校舎の玄関でスリッパか何かに履きかえるべきかと思ったが、既に誰かの靴跡があり、廊下も土埃が溜まっていたため土足のままでも大丈夫だろうと靴のまま上がった。

目の端で何かが動いた。それは廊下を駆け抜けていく。ハゲコの膝よりも低い影だ。きっと雨風を凌ぐために入り込んだ猫か犬だろう。

少ししてホテルに戻ろうと思ったが、折角なのだから校舎内を見て回ろうと決め職員室を出た。廊下を歩きながら教室を1つ1つ覗く。小さな机には誰かの苗字が掘られていたり、鉛筆で落書きをした跡までまだ残っている。それはハゲコが施したものではないが、どこか心の奥に仕舞い込んだ懐かしさを擽られているような気分になる。美術館で作品を眺めているようにゆっくりとした足取りで歩いた。

3年生の教室がある階に行ったときハゲコはその光景を見る。

廊下で赤子程の大きさの生き物が何かに張り付いている。張り付かれている者は剥がそうと必死にもがくが、バランスを崩し倒れるまでそれは離れなかった。その傍に立っていた者もいるが、助け起こすこともなく、倒れたそれに更に鎌を振り下ろしている。何度も下ろされる凶器をハゲコは呆然と見続けた。

我に返り後ずさったのが悪かった。靴底が床に当たり音を立て2対の眼がハゲコを捉える。赤子程の化け物はハゲコに向かって歯を剥き出しにし威嚇をする。鎌を持った者は人間のように思えたが腹には大きな穴が開いており、その異様さを際立たせた。

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