書き込んだ奴を主人公に短編を書く

書き込んだ奴を主人公に短編を書く

Ghost Finder ThomasCarnacki  2022-09-10 22:23:08
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W.H.ホジスンを目指して

  • No.33 by むしくいぼんぐり  2022-09-12 01:48:15

なるほどな。お前は俺の完全上位互換というわけかちくしょう

  • No.34 by 鏡音モナ  2022-09-12 17:43:10

すごすぎワロタ

  • No.35 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-13 18:48:48

ハゲコは廃校になった小学校の職員室ににいた。

肝試しや廃墟巡りをしに来たわけではない。受験でやってきて、次の日が休みのため観光でもしようとビジネスホテルの宿泊予約をしたのだ。予定よりもその日の予定が早く終わったためホテルのチェックインを済ませたが、まだ空は明るく、ふらふらと周囲を散歩していたときその建物が目に留まった。

そこは自分が通っていた小学校とは似ても似つかないがどこか懐かしさを感じる小学校だった。全てが身長の低い子ども用に作られているからか自分が巨人になったように思える。見学してもいいか訊ねようと職員室のプレートが掛かっている部屋に入ったが、案の定誰も居らず、埃を払うこともせずにそこにあった椅子に何となく腰かけていた。その椅子の上で考えこんでいると不思議な気分になる。この時を止めてしまった空間がそう思わせるのかもしれない。椅子の座面に行儀よく置かれていた石は十字に結ばれ、となりのトトロに出てきた包みのようでかわいらしい。それを掌で転がしながら思い起こす。

  • No.36 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-13 18:53:43

何故かハゲコの人生が走馬灯のように駆け廻る。取り立てて悲壮で辛い過去ではなく、むしろ有り触れた平凡な人生だ。理不尽に殴られたこともない。それなのにこの椅子で考えているとすべてが憎く思えてしまうのだ。

黒のスニーカーの先で床に転がっている小石を蹴った。校舎の玄関でスリッパか何かに履きかえるべきかと思ったが、既に誰かの靴跡があり、廊下も土埃が溜まっていたため土足のままでも大丈夫だろうと靴のまま上がった。

目の端で何かが動いた。それは廊下を駆け抜けていく。ハゲコの膝よりも低い影だ。きっと雨風を凌ぐために入り込んだ猫か犬だろう。

少ししてホテルに戻ろうと思ったが、折角なのだから校舎内を見て回ろうと決め職員室を出た。廊下を歩きながら教室を1つ1つ覗く。小さな机には誰かの苗字が掘られていたり、鉛筆で落書きをした跡までまだ残っている。それはハゲコが施したものではないが、どこか心の奥に仕舞い込んだ懐かしさを擽られているような気分になる。美術館で作品を眺めているようにゆっくりとした足取りで歩いた。

3年生の教室がある階に行ったときハゲコはその光景を見る。

廊下で赤子程の大きさの生き物が何かに張り付いている。張り付かれている者は剥がそうと必死にもがくが、バランスを崩し倒れるまでそれは離れなかった。その傍に立っていた者もいるが、助け起こすこともなく、倒れたそれに更に鎌を振り下ろしている。何度も下ろされる凶器をハゲコは呆然と見続けた。

我に返り後ずさったのが悪かった。靴底が床に当たり音を立て2対の眼がハゲコを捉える。赤子程の化け物はハゲコに向かって歯を剥き出しにし威嚇をする。鎌を持った者は人間のように思えたが腹には大きな穴が開いており、その異様さを際立たせた。

  • No.37 by ハゲコ 絆結星  2022-09-13 19:06:38

大好き

  • No.38 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-13 19:21:44

走る。

脇目を振る余裕すらなく足を動かした。

背の低い化け物は足が速く、ハゲコに向かって飛び掛かる。反射的に躱すことには成功したが、ハゲコの進行方向を阻む形になってしまう。反対の方向に走ろうと踵を返す。しかし後ろからは先ほどの化け物のこちらに向かってくる足音が響いていた。咄嗟に手に持ったままだった石をそれ目掛けて投げつける。当たったのを確認し、化け物の横を通り過ぎ階段を駆け下りた。

階段を下りた先で、床板の隙間に引っ掛かり勢いよく前に倒れる。頬を床に強かにぶつけ、視界が涙で歪んだ。
膝と掌は擦れて熱を持っている。遠くから聴こえてくる足音に、慌てて近くのロッカーに入った。

何年も使われていないであろうロッカーの中は黴と埃の臭いが鼻を衝く。荒くなる息を必死に抑える。ハゲコが倒れた音が聴こえたのだろう。鎌を持った化け物が辺りを見回している。

ハゲコは化け物が早く立ち去ってくれるよう祈ったが、化け物はロッカーを順に確認しだした。錆びた扉が独特の金属音を立て開く度、体中の毛穴から汗が吹き出す。ハゲコは恐怖に慄き蹲ることも、発狂し泣き喚くこともできた。しかし不思議なことにこんな状況になって頭の中が冴え冴えとしてきているのを感じてた。化け物がハゲコが身を隠すロッカーに近づいてくる頃、ハゲコの意思は1つに決まっていた。

  • No.39 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-13 19:26:37

ロッカーの扉に化け物の手が伸びた瞬間、勢いよく扉を開け放つ。当て身に近い。油断をしていた化け物が怯んだ隙に廊下をがむしゃらに走った。入ってきた玄関どころか、学校の敷地の外に出た後も後ろを振り返るどころかスピードを緩めることさえできなかった。

ハゲコが飛び込むようにして入ったホテルの従業員は目を白黒させている。従業員がこわごわ差し出してきた真っ白いタオルを受け取りながら、ハゲコは自分の格好を確かめた。ポケットに入れっぱなしの財布とスマホが無事だったのは不幸中の幸いだ。

シャツとジャケットは汗でじっとりと濡れ、背中に張り付いているのが気持ち悪い。顔に張り張り付いた髪を雑に掻き上げた時、ガラスに映った自身の目が鋭く光っていることに気が付いた。

ENDー小学生に戻りてぇなぁー
 

  • No.40 by ハゲコ 絆結星  2022-09-13 20:35:10

>>39そうだなぁ、小学生は良いよなぁ

  • No.41 by 玲亜!  2022-09-17 16:20:23

あー

  • No.42 by くぁwせdrftgyふじこlp  2022-09-17 18:11:50

初見

  • No.43 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-18 00:19:38

ホラーのネタが尽きたんやが

  • No.44 by むしくいぼんぐり  2022-09-18 00:26:32

>>43 ホラーやめて。どうぞ。

  • No.45 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-18 16:47:49

医者っていったい、なんなんだ。
これで何度目か、頭に沸いたその問いは、目線の先、病室の窓から見える青空に消えていく。
「ちょっと、先生」
ぼーっと空を眺めていたむしくいぼんぐりは、はっとして横を向く。
「あっはい」
見ると、ベッドに寝転ぶ患者が怪訝そうな表情を浮かべていた。
「なに……オレの体になんかあったの」
どうやら、むしくいぼんぐりの様子を見て、不安を感じたようだった。
「いえ」
笑顔を作り、ぼんぐりは手を振る。
「ちょっと寝不足が続いてまして」
「寝不足? おいおい、あんたオレの主治医だろ。そんなことで、へたな仕事してもらっちゃ困るよ。ちゃんと寝てくれよ」
「す、すいません」
謝って頭を下げるも、そんなこと言われたところで、どうしようもない。と心の中で呟く。研修医は、というよりも、医療現場は激務だ。朝から晩まで働き詰めで、休む暇もない。
指導医には毎日のように怒られ、看護師からは監視され、家に帰るのはいつも夜の11時以降。軽くシャワーを浴びて気絶するように眠れば、朝食を食べてすぐに家を出る。土日には休みをもらえるが、担当患者に何かがあれば、すぐに呼び出しが来る。いつ何時でも、気が休まることがない。
さらに、一週間に一度は夜間当直もあり、その日は寝ることができず、数時間の仮眠をとって、いつものように仕事を行う。研修が終わり医者となると、これよりもさらに過酷な職場環境になるというのだから、笑える話ではない。

  • No.46 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-18 16:51:00

給料は、生きるのに困らない程度にはもらっているが、その労力と見合っているとはいいがたい。
まあ、その昔に研修医の低報酬が問題となり、2003年に法律が作られたからそれだけもらえているが、それ以前は月5万円なんていう、異常な報酬がまかり通っていたのだ。それと比べれば、恵まれているといえば、恵まれているのかもしれない。

しっかり眠って、ちゃんと仕事をしてほしい。患者はみんなそう思うだろうし、病院で勤務する医者や研修医たちだって、そうしたいと思っている。だが、そんなことをすれば、大病院は成り立たないのだ。

しかしながら、ぼんぐりにとっては収入も激務も、たいした不満ではなかった。もとより、こういう職場だということは熟知していた。
何よりつらかったこと、それは、ここで働き出し、いろんな人間と接していくほど、医者というものの本質が見えなくなったからだ。

病院は一企業だ。赤字が続けば倒産するし、経営が大事なことはよくわかる。ただ、ここには患者を札束で数えるような、そんな損得勘定が見え隠れする。本来なら6人ほどが入れる部屋を、わざわざ一人用の豪華な個室にして、政治家や社長あたりを相手にし、お礼金なんかをもらえば、名のある教授が優先的に手術を行う。組織としての構造も最悪だ。常に上の人間が幅を利かせ、すべてを決めている。一番の出世への近道は、手術をすることではない、ゴマをすることだ。

  • No.47 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-18 16:56:37

派閥争い、出世争い、圧力や理由のないイジメ。そして、そんな中を着実に順応していっている自分。いつの間にか、愛想笑いがうまくなった。会話の中で、他人を持ち上げるのがうまくなった。必要最低限の行動で、患者を対処するのがうまくなった。

そのつど、見えなくなっていった。自分の理想とした医者の姿が。昔は、確かにハッキリと見えていた。だがいまは、すりガラスの向こうにあるかのようにぼやけている。そのぼやけた輪郭を目でなぞるたび、思う。

 医者っていったい、なんなんだ。

 午後10時。仕事が終わり、更衣室で私服に着替え、薄暗い廊下を歩く。そのとき、すぐ近くの病室から扉越しに話し声が聞こえた。

「医療費のことなんですけど」

子供の声だ。
確かここは、難病の少年が使っている個室だ。長い間、手術できる人間が見つかっていなかったが、最近になって現れて、ここで手術をしたと聞いた。どうやらその費用について話し合っているようだった。

「400万円ですよね」

少年から発せられたその金額を耳にした瞬間、ぼんぐりの体は硬直させ、ゆっくりと病室の方を振り返った。400万円? そんな金額を請求したのか。確かに、病気はこの病院ではどうしようもないほどの難病だった。それでも、ありえない金額だ。金持ちに対しての要求ならまだわからなくもないが、少年の家は普通の家庭だ。簡単に払える金額ではない。

「ああ、そうだ」

手術を担当した医者らしき男の声が聞える。当然のように答える医者の声を聴いても、ぼんぐりにはもう嫌悪感すら湧いてこなかった。あったのは、医者という職業に対する諦め。
難病の子供を救える腕はあっても、何よりも大事な人としての心がない。もうどうでもよくなった。自分の行く末も、なにもかも。

急にどっと体が重くなった気がした。

  • No.48 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-18 17:34:42

さっさと帰ろう。そう思い、踵を返したそのとき、

「だが、それは普通の患者の場合だ」

ぼんぐりは足を止め「え?」と思わず少年と同じ言葉を重なるように言った。

「キミと私は友達だろ」

フっと笑う声が聞えた。「助け合うのが友達ってやつだ、金は要らない」

頭が真っ白になった。ドン、と脳天から衝撃がきたようだった。病室の中では二人が話を続けているが、ほんぐりの耳には全く入ってこない。足元から湧きたち全身へとめぐる、ろくでもない人間と決めつけていた自分への恥の感情と、謎の興奮。それがぼんぐりの体温をぐっと上げ、耳を赤くした。

不意に扉が開き、医者らしき男と目があった。男はぼんぐりをみて「なにか?」と聞いてきたが、

「いえ、なにも……」

ぼんぐりが茫然とそう答えると、男は不思議そうに眉を動かした後、背を見せて廊下を歩いていった
自分の理想としていた、医者の背中姿が、確かにそこにあった。

「あの!」

 医者が数歩進んだところで、ぼんぐりは呼び止めた。医者が足を止めてこちらに振り返かえると、ぼんぐりは息を呑んでいった。「あの……な、名前を、教えてくれませんか」

「名前」

医者は怪訝そうな表情を浮かべた後「間だ。間黒男。医者をしている」と答えた。

「間さん。いや、間先輩」

「せん……ぱい?」

 間は首をかしげる

「はい、そう呼ばせてください」

 医師免許を持ち、ぼんぐりが先生と呼ぶ医者はたくさんいる。でも、それら有象無象と間は違う。自分の求める医者像の先を行く人間だ。それを敬いたかった。

  • No.49 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-18 17:37:57

「まあ、悪い意味はないんだ、好きにするといい」

「ありがとうございます。それで先輩、一つ聞きたいことがあります」

ぼんぐりは目を真剣なものにして問う。「医者っていったい、なんなんでしょうか」いままで、どれだけ考えても出なかったその答え。きっと、間は明確な答えを持っていると思った。だが、

「さあ、わからん」

間の口から出たのは、あまりにも適当なものだった。

「分からないって……いや、先輩ならわかるはずです。先輩は誰よりも医者です。だったら、医者としてあるべき、確かな答えを――」

「わからんと言ったらわからん」

間はぶしつけにぽんぐりの言葉を遮り、続けていった。「理由だとか意味だとか、考えたことがない。ただ、患者を治療し続けた。そしたら、いつの間にか医者になっていただけだ」

 いつの間にか……医者に……。

ぼんぐりはぐっと全身に力を入れ「なるほど」と一つ呟いた。

「悪いな、分かりやすいな答えじゃなくて」

「いえ、とてもいい答えだったと思います」

目を閉じ、ぼんぐりは深々と頭を下げた。「ありがとうございます」

「礼には及ばない。失礼する」

間がその場から離れる気配を感じても、ぼんぐりは頭を上げなかった。その状態のまま、ぼんぐりはある確信を得ていた。自分の描く理想への道のりは、いまだ見えない。でも、その先に彼がいる。学ぶんだ。先輩から……僕が医者になるための、大切なものを。

その後、ぼんぐりが間の助手として行動を共にするのは、研修が終わった3か月後のこと。 

ENDーブラックジャックによろしくを読んだら面白かったのでー
 

  • No.50 by きつね  2022-09-18 17:45:59

むしくいじゃないのか

  • No.51 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-18 17:47:31

むしくいはしょっちゅう漢字に変換されるので書きづらかった

  • No.52 by きつね  2022-09-18 17:49:37

そうなのね

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