書き込んだ奴を主人公に短編を書く

書き込んだ奴を主人公に短編を書く

Ghost Finder ThomasCarnacki  2022-09-10 22:23:08
通報
W.H.ホジスンを目指して

  • No.48 by Ghost Finder ThomasCarnacki   2022-09-18 17:34:42

さっさと帰ろう。そう思い、踵を返したそのとき、

「だが、それは普通の患者の場合だ」

ぼんぐりは足を止め「え?」と思わず少年と同じ言葉を重なるように言った。

「キミと私は友達だろ」

フっと笑う声が聞えた。「助け合うのが友達ってやつだ、金は要らない」

頭が真っ白になった。ドン、と脳天から衝撃がきたようだった。病室の中では二人が話を続けているが、ほんぐりの耳には全く入ってこない。足元から湧きたち全身へとめぐる、ろくでもない人間と決めつけていた自分への恥の感情と、謎の興奮。それがぼんぐりの体温をぐっと上げ、耳を赤くした。

不意に扉が開き、医者らしき男と目があった。男はぼんぐりをみて「なにか?」と聞いてきたが、

「いえ、なにも……」

ぼんぐりが茫然とそう答えると、男は不思議そうに眉を動かした後、背を見せて廊下を歩いていった
自分の理想としていた、医者の背中姿が、確かにそこにあった。

「あの!」

 医者が数歩進んだところで、ぼんぐりは呼び止めた。医者が足を止めてこちらに振り返かえると、ぼんぐりは息を呑んでいった。「あの……な、名前を、教えてくれませんか」

「名前」

医者は怪訝そうな表情を浮かべた後「間だ。間黒男。医者をしている」と答えた。

「間さん。いや、間先輩」

「せん……ぱい?」

 間は首をかしげる

「はい、そう呼ばせてください」

 医師免許を持ち、ぼんぐりが先生と呼ぶ医者はたくさんいる。でも、それら有象無象と間は違う。自分の求める医者像の先を行く人間だ。それを敬いたかった。

ニックネーム: 又は匿名を選択:
トリップ: ※任意 半角英数8-16文字
下げ おやくそく
※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※必ずおやくそくのページの内容をご理解いただいた上でご投稿ください
※顔文字など、全角の漢字・ひらがな・カタカナを含まない文章は投稿できません。
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください




Copyright コミュティア All Rights Reserved.
スレッドを作る



トピック名


ニックネーム

(ニックネームはリストから選択もできます: )

トピック本文


トリップ ※任意 半角英数8-16文字



※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください
おやくそく



管理人室
ご意見・ご要望はこちらへ