匿名 2024-08-24 21:17:29 |
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「久しぶりだな。上鳴」
聞き馴染んだ声が。でも聞けるはずない声が響いた。
また聞ける事を願い続けた嘗ての旧友の優しい声だった
「爆豪…?」
声のする方を振り返ればあの大戦の時に犠牲になった筈の爆豪は俺達と一緒にいた頃と何一つ変わってはいなかった。俺よりも小さくなった…いや。小さくなった訳じゃなくて俺が成長し爆豪が変わっていないだけだった。
よく見てみると姿はそのままだったが顔に傷があり足が少し透けている。左手には花を持っていた。爆豪であり爆豪じゃないのだと直感や雰囲気で察する。夏の乾いた風が頬を撫でた。
笑顔はあの時のまま。それが残酷なまで彼の止まってしまった時間を示す様だった
「…え……なんで…お前が……」
言葉が喉に詰まる、かろうじて滑り出した言葉は疑問をうつした。爆豪らしきそれはまた微笑んでたったひと言
「俺は…のろい。だよ」
そう言った。
ふよふよとそれは近付いてきて俺の心臓あたりを指差し言った 「お前の…いや。お前らの後悔の具現化みたいな物。」 楽しそうに揺蕩いながら1Aの写真を指していた。
「愛されてたんだなァ、俺」
顔を近付けてくすくすと笑うソレ。見た目だけは爆豪で頭がおかしくなりそうだった。
「ねェ?教えてよ俺ん事。生前の俺の事」
ソレはニヤリと口角を上げていた。優しい表情なのに悍ましさを感じた。
ソレは。ただの俺たちの念というには悍ましすぎる存在だった
「か、上鳴……後ろ。なんだよ。ソレ…!!?」
「どうも。」
ソレが後ろについてくるのをほっぽって学校に行けばどうやら1Aのみんなには見えるらしい。動揺する皆にふよふよと軽い態度のソレが手を振る。
きらきらとした何も知らない藍色の瞳が向けられる。
ころころと変わる心境をとても鮮明に映し上げる。
希望や夢を映すその目がいつか。その己の手の決断で絶望や悲観に移り変わる姿を、私は見る事が出来ない
彼の手で殺される。彼の心を私が殺す。
その日をいつか。夢に見る
「俺はいつかカイアスとさ、何気ない散歩とかしたいんだ!」
笑顔の弟子がそんな事を言う。修行が終わってゆっくりと休憩している時に唐突だった
「何故?」
「そうやって無意味な事を好きにできる。それって幸せな事だと思うからさ。そう言う世界にしたいんだ」
その目は諦めない希望と夢への決意が滲み出ていた。
だがその目の奥には少し黒い感情が見えた。諦めの様な。何か
希望で無理やり自分を奮い立たせている弟子は疲れも絶望も失意も悲観も。全て仕舞い込んでいた。
気丈で強くて傷つかぬように振る舞っているがまだまだ子供。夢の事を口に出し己の本音を誤魔化す。
「そうか、」
たった一言そう返す
「俺はいつかカイアスとさ、何気ない散歩とかしたいんだ!」
笑顔の弟子がそんな事を言う。修行が終わってゆっくりと休憩している時に唐突だった
「何故?」
「そうやって無意味な事を好きにできる。それって幸せな事だと思うからさ。そう言う世界にしたいんだ」
その目は諦めない希望と夢への決意が滲み出ていた。
だがその目の奥には少し黒い感情が見えた。諦めの様な。何か
希望で無理やり自分を奮い立たせている弟子は疲れも絶望も失意も悲観も。全て仕舞い込んでいた。
気丈で強くて傷つかぬように振る舞っているがまだまだ子供。夢の事を口に出し己の本音を誤魔化す。
「そうか、」
たった一言そう返す。短い返事にムッと?を膨らませ詰め寄ってきた
「アンタあんま真面目に聞いてないだろ!?」
「悪かった。ちゃんと聞いているぞ」
本当にちゃんと聞いていたが冷めた返事にどうやら疑いを持っていたらしい
「ソラとカイリが幸せにあの島で笑ってるならそれでいい。俺はそれだけで。充分だ」
って言って姿を消すんですね?これほぼ公式だ。公式君さァ
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