桃城と海堂の場所

あまりできなさそうだ。
少しでもそばにいてやらないと何をやらかすかわかんねぇし

いや、俺が言ってるのは…
その子についてお前が相談したらどうかってことなんだが…。

桃城…大丈夫か？

そういうことか。けど、なるべく自分で解決したいって言ってたから俺がそうやっていうのはどうかとおもうんだ。

少し大丈夫じゃないかもしれない

辛いことは全部俺に言って構わない。
口にしたくない事も言っていい。
お前が友達に寄り添うように俺もお前の傍にいる。
お前だけがこの問題を受け止めるのは難しい。
友達についてお前が行動するのは何も悪くない。
それにこのままじゃ精神的に危ない。
…とにかく怖いことや辛いことは全部言っていい。

わかった。ありがとうな。

なぁ、海堂、俺さ、初めてリスカしちまった

桃城…。
辛いんだな…。…辛いよな…。
…（涙を流して）
俺の腕にはまだ傷跡が残ってる
なんで切ったんだろうって後悔している…。
大切なお前が傷つくのは…悲しい…。
忘れるんじゃねぇ…
お前の傷は俺にとっても傷になる…。
桃城一人の痛みや苦しみじゃない

ああ、すまねぇ。
俺が、弱すぎるんだよな。
だから、大切な友達ひとりも助けられない。
ほんと、俺なんかのそばにいてくれてありがとな？

俺はお前が求めてくれる限り傍に居る…。
それから…助けを求めることは悪いことじゃない。
その友達の本意じゃなくても
何か変わるのかもしれなかったら
助けを求めることはむしろ友達の力になれそうな気がする。
お前は正義感が強くて思いやりもあるから
一人で何もかも背負おうとするが…
そんなに一人で抱え込む必要もまたない。
それからお前は強いことを俺は知っている…。

桃…？

ごめん。ありがとな

力になれなくてごめんな…。

いや、大丈夫だ。
おかげでまだ生きてるから

俺ももう…
何も信じられない。

なんで？大丈夫か？

信じられなくなっちまったんだ…。人を…。
邪推ばかりして…。
悪い方にばかり疑ってる。

半分は死んでいるようなものだ…。

また、戻っちまったって事だよな。
けど、そーゆー縁起の悪い事言うな。お前は死んでない。人を信じられなくて辛いだけじゃないのか？

ああ…。すまねえ、そうだな…。
お前の言うとおりだ…。

何かに憧れてた。
隣に誰かが居たらって…。
望み過ぎたんだ。

大丈夫だ。俺が支えてやるから。

ん？ちょっとまて？
お前にとって俺は…？

桃城…。

俺にとってお前は
忘れられない大切な人…。